ポチ袋の中に1円玉が入っています。ポチ袋には円形の穴が貫通しています(表面と裏面の同じ位置に同じ大きさの穴が開いている)。1円玉の直径は20mmで、ポチ袋の穴の直径は15mmです。
ポチ袋のフタは糊付けされています。ポチ袋を破らずに1円玉を取り出せたら、あなたにあげます。お年玉です。
ポチ袋を折ったり曲げたりしても構いません。さて、どうやったら1円玉を取り出せるでしょうか。
空間図形の問題です。頭の中で考えるだけでは難しいかもしれませんが、実際にあれこれやってみると、そのうちにたぶんポロっと出てきますよ。手順を示しましょう。
まず穴の中心あたりを通る直線状にポチ袋を半分に折ります。この段階ではもちろん1円玉は穴を通りません。(図2)
次に折り目の両端を手でつまんで内側に押します。力加減と向きを調整しながら押し込むと(図3)のようになります。このとき穴を上から見ると楕円状に見えます。楕円の長軸を長くするには、押し込む向きをやや下向きにするのがコツです。楕円の長軸が1円玉の直径より長くなれば、そこから1円玉がポロっと出てきます。完成です。(図3)
元の穴の直径 15mm は1円玉の直径 20mm より小さいので、そのままでは1円玉は穴を通りません。でも、穴の周の長さは 15π=47.1mm で、その半分 23.55mm が1円玉の直径 20mm より大きいので、うまくやれば1円玉は穴を通り抜けられるというわけです。
なお、穴の曲線の長さはいつも 15π=47.1mm ですが、(図3)では高さ方向に幅があるので、上から見たときの楕円状の周の長さはそれよりは短くなります。ですから、直径 15π/2=23.55mm の円板が通るわけではありません。長軸が最大でどこまで長くなるかは別の問題ですが、でも確実に 20mm よりは長くなるので、上の手順で【問題】は解決します。めでたしめでたし。
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