2019年9月6日金曜日

1F・2Fに入るツアー(2日目)

 2019年9月5日〜6日に福島第一原子力発電所(以下、1F)と福島第二原子力発電所(以下、2F)に見学に行ってきました。福島県の浜通り、双葉郡広野町にあるNPO団体「ハッピーロードネット」の仲介で、職場の同僚と一緒に集団で視察した形です(現在は個人の見学は認められないようです)。
 施設内はカメラ・スマホなど持ち込み不可のため個人で写真を撮ることはできませんが、案内してくれた東京電力の方が写真を撮ってくれて、後日その写真を参加者に配布してくれました。
 1日目は2Fを訪れ、運転停止中の格納容器内に入りました(写真右下)。1Fで事故を起こした原子炉と同じような構造なので、1Fでどの場所に核燃料が溶け落ちたのかなどが実感を伴っておよそ分かります。翌日に訪れる1Fの予習になりました。
 2日目は東京電力の廃炉資料館(事故前は「エネルギー館」だった)を見学した後、そこから先は東電のバスで1Fへと向かいました。
 1Fでは事故を起こした1〜4号機が見える高台から事故現場・作業現場を見学し(写真左上)、その後1〜4号機の側を歩いて見学したり(写真右上)、その他の施設を見学したりして、ここでも5号機(1F事故当時は定期点検中で運転していなかった。5号機は事故を起こしていない)の格納容器に入りました(写真左下)。

左上:1F1〜4号機が見える高台から    右上:1F3号機の水素爆発の痕
左下:1F5号機の格納容器内            右下:2Fの格納容器内

 写真を見ての通り、場所によっては防護服(と言ってもビニール製)とマスク(と言っても市販の物)にヘルメット(配管や配線に頭をぶつけそうですから)といった出で立ちです。放射線物質を持ち出さないように、靴を何度も取り替えながらの見学です。
 当然ガイガーカウンター(放射線測定器)を携帯して、管理区域に入る前と入った後に放射線検査をして、被ばく量ならびに衣類などに放射性物質が付着していないかをしっかり検査します(ですから、いちいち時間がかかります)。
 こうして2日間、私が管理区域にいたのはのべ4時間ほどですが、被ばく量は合わせて 0.04 mSv(ミリ・シーベルト)= 40μSv(マイクロ・シーベルト)ほどでした。

 では、ここで【問題】です。放射線医学総合研究所が公表している「放射線被ばくの早見図」を参考にして、私が1Fと2Fで受けた放射線量に最も近いものを次の中から選んでください。

  ア.胸のX線集団検診1回分
  イ.CT検査1回分
  ウ.日本で普通に暮らしていて受ける自然放射線量の1か月分
  エ.原子力や放射線の作業者の1年間の線量限度の1日分
  オ.東京ーNY間を飛行機で往復する際に受ける、高度による宇宙線の増加分



 「放射線被ばくの早見図」(→ https://www.nirs.qst.go.jp/data/pdf/hayamizu/j/20180516.pdf )を見ていただけるとすぐにわかると思いますが、正解は「ア」の「胸のX線集団検診1回分」です。ア〜オの中で最も少ない線量です。

 実際に行ってみて思ったのは、事故から8年半が経って除染も進んで放射線量がだいぶ下がっていること、それでも作業者・見学者の被ばく量については過重なほど(?)管理されていること、そして廃炉に向けた作業が(ゆっくり?ではあっても)着実に進んでいるということです。

2019年9月5日木曜日

1F・2Fに入るツアー(1日目)

 今日は福島第2原発の原子炉の格納容器に入った。運転停止中で廃炉が決まっているので、防護服をつければ今なら入れる。短時間いるなら放射線量はほとんど影響ないレベルだ。構造は福島第1原発と似ているから、福島第1原発のどの場所に核燃料が溶け落ちたのかなどが実感を伴っておよそ分かる。
 明日は福島第1原発の敷地に入る。事故を起こした原子炉の中には入れないだろうけれど、事故現場付近を歩くことは出来そうだ。

 お泊まりは J village。原発事故後は対応のための拠点になっていたが、去年2018年にスポーツ施設として再開した。


今日何人かの人の話を聞いて分かったこと、考えたこと。
  • 福島県産の農産物・魚介類はすべて放射線値を測定していて、その数値が他の地域と全く変わらないということは、福島県産の農産物・魚介類が世界で一番安心・安全ということだ。他の地域の物には何らかの理由で線量の高い物が混じっていないとも限らないが、福島県産の物にはそういうことはありえない。
  • 少子高齢化・過疎・後継者不足などいずれ日本中で起きるであろう問題が、原発事故によって一足早く福島で顕在化した。そのように受け取ると、福島は日本全土のモデルケースになるということだ。また、今はまだ世界中で廃炉の実績は少ないが、今回の過程で福島ならびに日本が廃炉先進国になる可能性が高い。
  • 原発や放射線について一般の人の理解を得ようとするのは所詮無理だろう。むしろそれらについて理解しうるだけの意欲・能力を持った人たちの目が原発・放射線に向いたという意味において、これはチャンスだ。体験学習、アクティブ・ラーニングを実施するための絶好の教材にもなりうる。

2019年9月1日日曜日

Idで上バーがやっと出来た

 Adobe InDesign(Id)は数式を作るのが苦手なのだが、せめて文字の上にバーをつけることだけでも出来ないものかとあれこれ試して、やっと出来た。ルビをつける機能を使ったのだが、納得の出来栄え。
 論理式や集合を扱う際に「否定」や「余事象」、「補集合」を表すために上バーはどうしても使いたい。これだけでも編集さんや印刷屋さんと直接データをやり取りできる範囲がだいぶ広がる。


 この問題は慶応大学・環境情報学部2016年度入試の「情報」で出た問題。慶応SFCの入試で情報が選択できるようになった初年度の問題からである。それをIdで作って、画像にして張り付けた。
 答えは順に、 (1) (3) (4) (5) (7) 。


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