2021年1月31日日曜日

☆ 人と動物の違い

 「植物と動物の違いは?」と聞くと、知識の問題になる。でも「猿と人の違いは?」と聞くと、まったく別の問いに変わる。

  ◇ 猿と人の違い
  ◇ 隠すことと晒すこと
  ◇ しっぽ

 先ほどの2つの問いの違いは何か? 前者の問いに答える際には、考えない。後者の問いに答えるには、考える。たったこれだけの違い。けれども、決定的な違い。

2021年1月24日日曜日

お題「バレンタイン・デー」で漫才を作れ

 オンラインで全6回シリーズの漫才系の講習を受けている。何の因果かは自分でもよく分からない。
 第1回が先日終わって、もうすぐ第2回があるのだが、前回にお題を出されて、次回までに(ちょっとした)漫才(みたいなもの)を1本提出しなきゃいけない。お題は「バレンタイン・デー」。季節ものだ。
 うつらうつら考えてはいるのだが、何にも浮かばない。しょうがない。風呂入りながら考えよーっと。

A:漫才のネタが浮かばないから、風呂入りながら考えることにしたんや。
B:そうかそうか、それは良えわ。良いネタ出たか?
A:風呂のスイッチ入れたら、しばらくして「もうすぐお風呂が沸きます」とか言うねん。
B:あぁ、最近のヤツは言うてくれるな。
A:そしたらな、またしばらくしたら言うねん。今度は「お風呂が沸きました」やて。
B:えぇやん、便利な機能や。
A:なんでや。お風呂が沸いたら大変やで。
B:はぁ、お前なに言うてんねん。何か文句あるんかい?
A:あのな、お風呂って入れ物か中に入ってるものか、どっちや?
B:あっそっか、中に入ってるのはお湯や。お風呂言うたら入れ物、桶の方やな。
A:そやろ、桶が沸いたら大変やで。二度と使えなくなるわ。
B:まーそうかな。「お湯が沸きました」の方が良えかな。
A:お前はアホか。お湯が沸いたら熱すぎるわ。全部湯気になっちゃうやん。
B:そぅかぁ、正確に言うんなら「水が沸きました」か。
A:今度は紛らわしいな。湧き水みたいじゃないか?「湧き水が湧きました」みたいな。
B:そやな、やっぱ「お湯が沸きました」で良えんちゃうか。
A:アホか、それじゃ「温泉が湧きました」みたいに聞こえるで。ウソはあかん。
B:結局はじめの「お風呂が沸きました」で良えやん。さすが東京ガス、良う考えてるわ。
A:あかん。「お風呂の中の水が沸いて(ちょうど良い湯加減の)お湯になって(多過ぎもせず少な過ぎもしない適量が)湯船に貯まりました」と正確に言わないと。
B:長すぎるやろ。それはそうと、バレンタイン・デーのお題、どうなってんねん?
A:そやな、長すぎて毎日聞くの、イヤやな。
  そやっ、「お題はバレンタイン・デーです」って言うてくれるのが一番や。
B:それも毎日はどうか?と思うで。。。

 最後はなんとかバレンタイン・デーに持っていったが、これって実はどんなお題にも対応できてしまう。その意味ではアウトなんだろうけど、とりあえずこれで精一杯。1発目だから、ゆるせ。

2021年1月17日日曜日

シミュレーション・ソフトとしてのエクセルの利用

 記事「プログラミング的思考とは?」に私は書きました。
  • 思いついたこと・考えたこと・イメージしたことをデジタルの世界で実現すること、それがプログラミング。
  • 目線が遠く(ゴール)と近く(コード)と全体(システム)とを自由に行き来すること、それがプログラミング的思考。
  • その一連の作業のあらゆる場面で「言葉にする」ことがとても大事。
 これらのことを「埃が風に舞う」の問題を例に見てみましょう。


 遠くを見つめる望遠鏡目線と、近くを凝視する顕微鏡目線と、全体を見渡す鳥の目線の3つが連動して、少しずつモデルが出来ていきます。


 モデルが見えてきたら、ステップごとに標題をつけます。これは「自分がいま何をやろうとしているのか」を意識化することでもあります。同時並行で関数式を立てますが、その際はエクセル君にわかる言葉でやさしく語りかけなければいけません。そして最後にグラフ化することで、うまくできているかどうかを確認できます。また、うまくいった暁にはみんなで共有できるものになります。
 実際の作業は行きつ戻りつになるでしょう。失敗しながら修正していくうちに、だんだんとモデルがくっきりしてくるでしょう。そして期待通りのグラフが描けたら完成です。
 記事「プログラミング的思考とは?」に私は「統計+数学+プログラミング=人工知能」と書きました。そのうち統計処理をするにはエクセルが最適でしょう。エクセルの関数式を立てる際に一般化したり論理構造を考えたりすることで、数学的な考え方が身につきます。そしてたった今見たように、エクセルを使うことでプログラミング的思考も身につきます。
 エクセルは表計算ソフトというより、統計ソフトであり、シミュレーション・ソフトであり、プログラミング・ソフトです。そして私は思うのです。人工知能を学ぶには「エクセル→統計→人工知能」の順番で進めるのが最も効果的で効率的だろうと。数学やプログラミングから入ると、人工知能に行き着くのはだいぶ先なりそうです。

 ところで、私は授業ではマクロ(VBA= Visual Basic for Applications)は使わない派です。エクセル関数のうち基本的なものだけを使って、それをどう組み合わせるかを考える方が、簡単な割に多くのことを学べるからです。生徒にとって取っ付きやすくて、達成感があって、つまり楽しいからです。

☆ 条件付き確率からベイズ推定へ

 あ

★ エクセルの利用

☆ エクセルで味わう、意外な確率
(→ https://omori55.blogspot.com/2019/03/blog-post_19.html )

  ◇ ありふれた偶然
  ◇ 最上位の数はどのような割合で現れるか?
  ◇ 席替えしたのにまた同じ席になっちゃう確率

☆ 埃が風に舞う

 エクセルは表計算ソフトというより、シミュレーション・ソフトです。ここでは「埃が舞い、積もる」様子をモデル化して、エクセルでシミュレーションします。

  ◇ 埃が風に舞う
  ◇ 埃は部屋の隅にたまる
  ◇ シミュレーション・ソフトとしてのエクセルの利用

 多少複雑ですが、アレンジして使えばいろんな場面で使える考え方です。

2021年1月8日金曜日

現代文明は「石油文明」である。

 「地球温暖化」や「自然エネルギー」の話になると、みんな、石油を悪者扱いしているように見えます。でも、そんな扱いでいいんでしょうか? そんなわけで、今日は「石油」について考えます。

◇ 「発電」は石油の能力のほんの一部
 石油は、発電だけに使われるのではありません。「石油=原油」を精製すると、たくさんの種類の石油製品ができます。

   LPガス、ナフサ、ガソリン、軽油、灯油、重油、アスファルト

 発電のための燃料は「重油」ですが、私たちが石油を発電以外の いろんな用途に利用 しています。ナフサは化学工業の原料です。プラスチックや化学肥料がこれから作られます。ガソリン・軽油・灯油は、輸送用の燃料です。アスファルトは道路になります。人間は「石油」を見事に全部使い切っているわけです。(かつてのクジラと同じように)
 一方で、太陽光であれ、風力であれ、原子力であれ、それらができるのは発電だけです(原子力は、ご存知のように別の使い方があるようですが・・・)。この点から「クリーンエネルギーあるいは原子力は、石油の代替になりえない」と言えます。

◇ 火力発電は「廃物利用」
 「石油=原油」を精製してできる各種石油製品は、ザックリ言うと軽いものほど高級です。石油製品を軽い順に書いてみると、次のようになります。

   「LPガス → ナフサ → ガソリン → 軽油 → 灯油 → 重油 → アスファルト」

 火力発電では「重油」を使いますが、重油は石油製品の中ではかなり低質のものなんですね。重油はいわば、原油から高級成分を取り出した残り(カス)と言えます。重油ではプラスチックを作れませんし、乗り物の燃料にもなりません。言うなれば、燃やして熱を利用するしか他に使い道のないものなんです。(「アスファルト」 は燃えもしないので、粘性だけを利用して道路に使っていますね)
 さて、石油の高級成分を使えば、イヤでも重油が残ります。もしこれを燃やさないとすると、どうやって処分したらいいんでしょう?・・・結局は 燃やすしかなさそうです。だったら、ついでに 発電した方が合理的 ではないでしょうか?・・・カスでもそれくらいはできるのですから。
 「ゴミ焼却場で発電」なんて話もありますが、火力発電も「廃物利用」だと考えることができます。その意味で、火力発電はあんがいエコロジー だと言えなくもないわけです。

◇ 現代文明の根幹に「輸送」あり
 現代文明を成り立たせているエネルギーで最も大事なものは「電気」ではありません。電気よりもっと大事なものがあります。それは「輸送のためのエネルギー」です。たとえば、食料が外から運ばれなくなったら、東京は成り立ちませんね。「現代文明は大量輸送によって成り立っている」のです。
 輸送のための燃料は、少なくとも現在は「石油だけ」です。さて、ソーラーカーはどうでしょうか? 「車体の軽量化」ウンヌンと言ってる時点で絶望的ですね。数トンの荷物を運べなければ使い物になりませんから。さらに、数百km移動 できることも絶対条件です。将来の可能性を否定することはしませんが、かなり難しいことは事実です。(やっぱり絶望的かも・・・)
 自動車メーカーはいろんなエンジンを開発しようとしているようです。でも、マイカー向けに開発してもダメなんです。トラック用が開発されなければ。
 石油ならそれが簡単にできます。(石油が液体であることも大きなメリットの一つです。)石油の代替を探すなら、まず第一に輸送のためのエネルギーを考えるべきでしょう。

◇ まとめ
 「現代文明=石油文明」だということを、再確認するべきだとボクは思います。ボクたちの身の回りにあるものは、石油で掘った資源を、石油で加工し、石油で運んできたものばかりです。ボクたちは石油を撒いて育ったものを毎日食べています。
 石油の能力のうち「発電」はほんの一部であり、しかも一番大きな能力ではありません。言うなれば、メインの能力を発揮した余力で、「発電も」しているというところでしょう。
 また、現代社会の成り立ちをみても、「電力」が最も重要なエネルギーであるとは言えません。
 一方で、各種代替エネルギーが目指しているのは「発電だけ」であり、しかも未完成です。いずれにせよ、仮に代替エネルギーが完成したとしても、石油の代替にはなりえないということです。
 確かに「石油」と「火力発電」にはいろいろ問題があります。けれども、石油を悪者扱いしていたのでは、逆に問題の 本質が見えなくなる のではないかとボクは感じます。むしろ「石油は 神だ」くらいの認識から始める方が賢明なのではないでしょうか。

☆ エネルギーのそもそも論

 「エネルギーを使えばいろんなことが出来る」ことと「エネルギーを作り出す」こととはまったく別物です。
 ですから「技術がエネルギー問題を解決する」とは限らないのです。むしろ「エネルギーを使わない技術に何が出来るのか?」と問うべきなのです。