2019年4月10日水曜日

指数法則 ⇄ 対数法則

 指数と対数は同じことを言い換えているだけです。
  • am=M  ⇔  m=logaM … ①
  • an=N  ⇔  n=logaN … ②
ですから、指数法則を対数で書き換えることもできます。
  • am・an=am+n … ③
  • (am)t=amt … ④
対数で表すということは、m , n を使わずに M と N で書き表すということでもあります。やってみましょう。
  • ③を対数に書き換えると logaam・an=m+n
    さらに① , ②を使って m , n を M , N で書き換えると、
    logaMN=logaM+logaN … ⑤
  • ④を対数に書き換えると loga(am)t=mt
    さらに①を使って m を M で書き換えると、
    logaMt=t・logaM … ⑥
⑤ , ⑥が対数法則です。なんのことはない。指数法則を対数で書き換えただけなんですね。
 でも③ , ④の指数法則に比べて、まだピンとこない感じがするのではないでしょうか。そこで、もうちょっとイメージを膨らませて、⑤ , ⑥の意味をつかんでみましょう。
  • a を単位時間あたりの増加率(一定)とします。
    そうすると 2 単位時間後に量が a2 倍になり、3 単位時間後に a3 倍になりますね。
    では 5 単位時間後に量がどうなるかと考えると、
       a5=a2・a3 … ⑦
    となりますね。これが③の意味です。
  • これを逆から見ましょう。
    量(倍)を固定したときに、時間の間にどんな関係が成り立つのかというと、
    「量が 6 倍になるのにかかる時間」=「量が 2 倍になるのにかかる時間」+「量が 3 倍になるのにかかる時間」ですよね。これを式で表すと、
       loga6=loga2+loga3 … ⑧
    となります。これが④の意味です。
つまり、時間を固定してそのときの量(倍)の関係を表現したのが⑦で、量(倍)を固定してそのときの時間の関係を表現したものが⑧なのです。
 というわけで、指数法則③ , ④と対数法則⑤ , ⑥は同じことを言っているとも言えますし、同じことを別の視点で見ているとも言えるでしょう。



 ついでながら、
  • am=M  ⇔  m=logaM … ①
を使ってもう少々。①は「対数の定義」とも言えるものですが、
  • ①の 左式の m に右式を代入すると alogaM=M … ⑨
  • ①の 右式の M に左式を代入すると logaam=m … ⑩
も作れます。⑨ , ⑩を公式と呼んでもいいのですが、実は「対数の定義」そのものとも言えます。

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