2021年2月21日日曜日

むかしむかしマッチング・アプリがあったとさ

 受講中の「漫才構文講座」は隔週で実施する予定だったが、講師の都合で1回延期になって、結果的に1ヶ月ぶりの講習がまもなくある。前回出されたお題は「昔話」。講師の添削を受けるためには今日が期限なので、なんとか1つ作ってみた。
  • いつまで寝てるの?
  • (反応なし)
  • もしかして、シンデレラ?
  • 死んでないわ。生きてるわ。
  • (ドアを叩く)開けるよ。
  • いま機織ってる最中だから、開けないで!
  • アホか!(ドアを開ける)
  • ダメぇ、見ないで!
  • ほぅら、いつもの「小太り爺さん」ジャン。
 大学受験真っ最中の娘が部屋のドアに「機織り中につき、立ち入り禁止」の張り紙をしていて、そこから着想した。要はほとんど駄洒落である。

 なんとか1つ作ってみると、勢いでもう1つ出来た。うつらうつら考えている時点でもともと2種類のネタを考えていたわけだが、1つが形になれば、もう1つも形になりやすいということだろう。
 1つ目は短かったが、今度のは長い。そしてこっちの方が僕っぽいと思う。こちらも期限に間に合ったので、講師に送る。タイトルは「むかしむかしマッチング・アプリがあったとさ」。皆さんもご覧あれ。
  • むかしむかし、あるところに、マッチング・アプリがありました。
  • ほぅほぅ、せっかくあるんならどんどん使おっ。
  • けどな、男連中はみんな「眠りの森の美女」が良い言うねん。
  • そんで、女連中はみんな「白馬に乗った王子様」が良いと言う。
  • みんな調子ええな。
  • みんな高望みし過ぎちゃうか。
  • けどな、男にしてみたら、生まれた子が自分の子かどうか確信もてないから、やっぱり「眠りの森、つまり処女」は絶対条件なんだよ。
  • そんで、女にしてみたら、子供をちゃんと育てるのに十分な財産が要る。その証拠が「白馬に乗った王子様」ってわけだ。
  • ヨーロッパにはいっぱいいるんだけどね。灰だらけのシンデレラも、森に隠れ住んだ白雪姫も間違いなく男を知らない。けど、日本には一人しかいない。
  • 誰や?
  • 「かぐや姫」だけや。竹から生まれてあっという間に大人になったから、処女を失うヒマが無かった。他には乙姫や雪女は確実ではないから、ダメだな。
  • なるほど。一方、金持ちの男と言えば・・・桃太郎は成金だから先々の保証はないし、浦島太郎とか金太郎はむしろ貧乏や。
  • 金持ちの男、いないんか?
  • まぁ少しは居る。かぐや姫にプロポーズした男たちや。
  • 証拠あるか?
  • ありもしない宝物を探しに行くだけのヒマを持て余しているのが、何よりの証拠や。
  • うーん、確かにそうだ。
  • 日本で「眠りの森の美女」と「白馬に乗った王子様」が結ばれる唯一のチャンスだった。
  • なんでうまくいかなかったんだろ?
  • 月から迎えにきた御者を追い返そうとするより、乗り込んじゃえば良かったんだよ。そうすればかぐや姫と結婚できて、さらにアームストロング船長よりも先に月に行けたのに。惜しいことをしたもんだ。
  • かぐや姫は性格悪いし、男連中はアホだよな。
  • 性格悪くてもいいから「眠りの森の美女」を望んだ男と、アホでもいいから「白馬に乗った王子様」を望んだ女の当然の帰結かな。
  • 浦島太郎だって竜宮城から帰ってきたんだから、月に行ってもきっと帰って来られるのにね。
  • マッチング・アプリは今も昔も難しい。
どうだ!? 構想1ヶ月、執筆1時間、修正半日の作品です。

2021年2月6日土曜日

マスクにチョークで描いてみた

 授業中、マスクしながらしゃべると、蒸れるしむせるしズレるので、ついついマスクに手が伸びる。そうするとマスクにチョークの色がつく。そのうちだんだん薄汚くなってくる。
 ならばいっそのことと思って、マスクにチョークで描いてみた。


 中3の、とあるアホなクラスでつけてみた。どっちもどっちお互い様で違和感なし。ちょうど中3の卒業アルバム製作中で、この姿がアルバムに載っちゃうかも。

2021年2月4日木曜日

柴刈りの極意

 「むかしむかし、おじいさんは、山へ柴刈りに・・・
 柴は「木の小枝」で、柴刈りは要するに「薪拾い」です。( 「芝刈り」ではありませんよ。)
 柴(薪)のエネルギーのもとは、太陽です。ですから、柴は「再生可能なエネルギー」といえます。今風に言うと「バイオ・マス」ですね。ところで、おじいさんは、何のために柴を刈ったのでしょうか。
 おじいさんは、それで電気を起こそうとか、車を走らせようと考えていたわけではないでしょうね。柴で発電したり、物を動かしたりすることは、理論上は可能です。けれども、現実的ではありません。柴はエネルギー密度が小さいので、エネルギーの「量」を確保するには、大量の柴が必要になります。また、柴はエネルギーの「質が低い」ので、「質の高い」エネルギーに変換すると「量」がさらに減ります。2重のマイナス効果で、大量の柴から、ほんのちょっとの電気や運動量しか得られないことになります。
 おじいさんが柴を刈った目的は、きっと煮炊き、あるいは暖をとるためでしょう。つまり、熱源です。
 ところで、現代人にとっての熱源は、石油・ガスなどの化石燃料(電気も、元をたどれば化石燃料)です。エネルギーの「質」の観点から見ると、これは非常にもったいない使い方だと言わざるをえません。せっかくの「質の高い」エネルギーを、質をガクンと落として使うわけですから。
 特に、電気を熱源として使うのは、贅沢の極みです。発電中に大量の熱を放出して、ようやく手にしたピュアな電気を、再び熱に変えようというのですから。

 ちょっと考えてみてください。

   ◇ バイオ・マスで化石燃料の代替品を作り、バイオ・マス燃料を熱源として使う
   ◇ バイオ・マス燃料を熱源以外の用途に使い、化石燃料を熱源として使う
   ◇ 植物を直接燃やして、その熱を利用する。(化石燃料は他の用途に使う。)

 そのうち、エネルギー効率が最も良いのはどれですか? 植物を消費する量が最も少ないのはどれですか? 大気中の CO2 を最も減らすのはどれですか? 最も環境にやさしいのはどれですか?
 次の中で、植物資源を最も多く消費する人は誰ですか?

   ◇ 柴刈りのおじいさん
   ◇ 化石燃料を使う現代人
   ◇ バイオ・マス技術を使う未来人