ある生徒が受けた何回かの試験で、その推移を見るときは<表1>のようなシートになる。
教科の先生の立場で、担当する生徒全員の成績を集計するときは<表2>のようなシートになる。
クラス担任の立場で、ある試験を受けた全員の成績を見るときは<表3>のようなシートになる。
いずれも2次元で、横軸と縦軸の交差点に1つずつ数字(点数)が入る。
さて、この3つを合体させると、3次元空間になる。ここで、軸は生徒軸と科目軸と試験軸の3つである。生徒誰それがどの試験の何の科目で何点取ったかは、3つの軸の交差点に1つずつ書いてある。
ところが、その数字は3次元立体構造の内側に埋もれてしまって、外からは見えない。3次元世界で生きるヒトは、実は2次元世界しか見ることが出来ないのである。だから、3次元世界のある部分を見るためには、3次元世界を薄くスライスして、そこだけを取り出すしかない。そうやって取り出したものが、<表1>、<表2>、<表3>というわけである。
このように、何人かの生徒がいくつかの科目の試験を1年間に何回か受けたときのデータ空間は3次元になる。
ところで、話はここで終わりではない。毎年クラス替えがあって、生徒たちの並ぶ順番が変わるとすると、軸をもう1本立てなければならないことになる。これで4次元空間である。
話はまだ続く。生徒たちが受ける科目が、学年によって異なるのだ。たとえば、情報科などというマイナーな科目は3年間のうち1年間しかない。これで5次元空間である。
まだまだ続く。入学年によって、年ごとに受ける科目が微妙に変わるのである。現に今から10年ほど前に情報科が必修科目となったし、学校の事情によっても時々変わる。これで6次元。
あと1つ。高校は単位制だから、取得単位数を集計するためには、軸がもう1本必要。はい、以上、7次元空間。
これが学校のテスト空間の正体である。でも、こんなものをヒトが認識できるわけが無いのである。3次元はギリギリ認識できても、でもやっぱり目には見えない。4次元空間はそもそも認識できない。
なのに、テスト空間は7次元。だから、スライスして2次元ずつ抜き出して、そこだけを見るしかない。紙に書く(印刷する)にしても、コンピュータの画面で見るにしても、2次元世界を見ているのである。
表計算ソフト・エクセルのシートはもちろん2次元である。シートを何枚か重ねることで、なんとか3次元までは処理できる。でもそれ以上は、無茶である。
では、どうするか? リレーショナル・データベースソフトの出番である。それでも、ヒトが作業するときも見るときももちろん2次元なのだが。といいつつ、コンピュータがデータを格納する際は1次元(円周状)になってるはずなのだが。
うーん、ややこしい。1次元のコンピュータが、7次元空間を認識して、ヒトに2次元で見せている。
さて、図書館の業務は何次元世界なんだろう? 次回に考えてみようと思う。
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