「植物と動物の違いは?」と聞くと、知識の問題になる。「哺乳類と鳥類の違いは?」と聞いても、やっぱり知識の問題になる。学校で習うことだから。そしてそこには正解と間違いがある。つまり○か×がつく。こうなると面白くない。
でも「猿と人の違いは?」と聞くと、様相が変わる。知識では答えられないからだ。いろんな答え方がありそうで、単なる○か×かではない、まったく別の問いに変わる。それに答えるためには、いやでも想像力を働かせることになる。生物学的視点からの答え方もあるだろうし、社会学的視点からの答え方もあるだろう。動物園の猿を見物する自分という人の視点などなど、想像力はいくらでも広がる。
前者の問いは、単なるクイズだ。それに答えられても、将来役にたつかどうかは分からない。それに答えられなくても、将来役にたつ人にならないとも限らない。
むしろ後者の問いの方が、将来役にたつんじゃなかろうか。その問いに黙ってしまう人より、がんばって何とか答えようとする人の方が将来使えるんじゃなかろうか。
ここで、ちょっと考えてみませんか。「猿と人の違いは何だろう?」。とりあえず3つくらい挙げてみてください。
と、ここまで書いてきて気づきました。前者と後者の問いの違いは何か?
前者の問いに答える際には、考えない。後者の問いに答えるには、考える。違いは、これじゃなかろうか。たったこれだけの違い。けれども、決定的な違い。
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