2019年3月17日日曜日

埃が風に舞う

<実習>
 埃は部屋の隅にたまるものです。部屋の中ほどにも埃はいくらか積りますが、部屋の隅の方が多いですね。この現象をエクセルで再現してみましょう。

 話をシンプルにするために、埃1つだけで考えます。また、平面ではなく、数直線の-1から+1の上を埃が動くと考えます。0の位置が部屋の真ん中で、-1と+1の位置が部屋の隅という想定です。
 埃は風の影響で動くと考えます。風は不規則に吹きますが、部屋の中ほどでは比較的強く、部屋の隅では風が比較的弱いものとします。
 まず、「-0.5から+0.5までの一様な乱数」を、不規則な風に見立てましょう。このとき、左向きの風はマイナスで、右向きの風はプラスで表されています。
 次に、その値を部屋の中ほどでは強く、部屋の隅では弱くなるように調整しましょう。そのために、「部屋の隅から埃までの距離」を表す式を作ります。
 そして、「-0.5から+0.5までの一様な乱数」と「部屋の隅から埃までの距離」を掛けた値を「埃の移動距離」とすれば、「部屋の中ほどでは比較的強く、部屋の隅では比較的弱い不規則な風に乗って移動する埃」がモデル化できます。
 さらに、直前の「埃の位置」に「埃の移動距離」を足した値を、新たな「埃の位置」とします。ただし、埃は最初、数直線の0の位置(部屋の真ん中)にあるものとします。
 以上のことをエクセル・シートに入力して、「埃の位置」の列をグラフ化すれば、1つの埃が風に舞って移動する様子がシミュレーションできます。「数式リボン」の「シート再計算ボタン」を押せば何度でもシミュレーションできます。



 以上のことをエクセル・シートに入力してみましょう。セル B3 , C3 , D3 , E3 に関数式を入力し、下方向にコピーして、E 列をグラフ化すれば、1つの埃が風に舞って移動する様子がシミュレーションできます。
◇ セル B3 の式は = RAND ( )-0.5
◇ セル C3 の式は = MIN (1+E2 , 1-E2)
    または   = 1-ABS(E2)
    もしくは  = IF(E2>0 , 1-E2 , 1+E2)
◇ セル D3 の式は = B3*C3
◇ セル E3 の式は = E2+D3
3回シミュレーションしたところ、次のようなグラフが描けました。横軸が「時間」、縦軸が「埃の位置」です。


 埃がふわふわと部屋の隅に移動していく様子が見て取れますね。



<Mission>
  これがうまくいったら、次は「たくさんの埃で」やってみましょう。上では4列使って1つの埃を動かしましたが、それら4つの式を1つの式で書けば1列で1つの埃を動かすことになります。その上で列ごとコピーすれば、たくさんの埃が動く様子をシミュレーションできます。

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