2019年3月14日木曜日

サルはそのうち人間になるのか?

娘からの質問。「人間って、昔はサルだったんでしょ?
私は答えた。 「そうだね。中にはまだサルっぽいヤツもいるけどね
続いて質問。 「ってことは、サルはそのうち人間になるの?
私は詰まった。「…さぁ、どうなんだろ?

 後でのんびり考えました。いや、サルはこの先もサルのまんまでしょう、たぶん。サルはサルなりに進化するのかもしれないが、おそらく人間になったりはしないでしょう。未来のことは断言できませんが、きっとそうだろうと思います。
 でもねぇ、「サルが人間に進化した」と言われると、サルがそのうちみんな人間になっちゃうように聞こえますね。娘がそう思うのは当然です。誤解しやすい言い方なんですよね。
 想像してみました。サル山のサルの一匹がある日突然人間になったとか、サルの赤ちゃんの毛がすこしずつ抜けて気がついたら人間になっていたとか、ジャングルの高い木の上に村があるので聞いてみたら「あの人たちついこの前までサルだったのよ」とか。いやいや、それはないでしょう。

 「サルが人間に進化した」というより、本当は「サルと人間に分かれた」んですよね。どのタイミングかはわかりませんが、どこかで枝分かれしたんでしょう、たぶん。その瞬間を私は目撃したわけではありませんから確証はありませんが、きっとそういうことなんだろうと思います。
 それに、進化というけれど、退化した部分だってあるはずです。というより「進化」という価値観を匂わせる表現がまた胡散臭いんですね。変わる方向性が「良い方向」だと決めつけています。
 「進化した」と言うより、素直に「分かれた」と言えばいいんじゃないでしょうか。考えてみると、「分かれた」という言い方なら、生物に限らず、地球そのものについても同じ言葉で語れます。

宇宙のチリが渦状に廻り始めて、恒星と惑星に分かれた。こうして地球が誕生した。
できたてホヤホヤの地球は少しずつ冷えて、やがて核と地表に分かれた。
続いて気体がこもって空と陸地に分かれ、さらに水がたまって海と陸に分かれた。

深海の熱水のそばで生まれた生物は、そこに留まるものと水面近くに移り住むものに分かれ、
さらに海で生活するものと陸で生活するものに分かれた。
同時に、植物と動物に分かれた。 ・・・ (中略) ・・・ サルと人間に分かれた。

分かれて分かれてどんどん細かくなって、多様性に満ちた今がある。「進化論」改め「分化論」です。


0 件のコメント:

コメントを投稿