2019年3月14日木曜日

ありふれた偶然

◇ 40人のクラスで、同じ誕生日の人がいる確率は、どれくらいでしょうか。
    (ア) 10%  (イ) 30%  (ウ) 50%  (エ) 70%  (オ) 90%

 n人の誕生日がすべて異なる確率をp(n) ,n人の中の誰かと誰かの誕生日が一致する確率をq(n)とします。このとき、p(n)+q(n)=1が成り立ちます。ただし、ここではうるう年を考えずに、誕生日を365種類として計算します。
 まず、p(0)=1 , p(1)=1 と q(0)=0 , q(1)=0 は明らかです。最低でも 2人いないと、誕生日が一致することはあり得ませんから。またn>365 のとき、p(n)=0 , q(n)=1 も明らかです。
 p(2) は2人目の誕生日が1人目の誕生日と異なる日であると考えて、p(2)=p(1)×364/365 で計算できます。同様に、 p(3)=p(2)×363/365 , p(4)=p(3)×362/365 , … となります。
一般化すると p(n+1)=p(n)×(365-n)/365 となります。また、q(n)=1-p(n) です。

 さて、これを手計算するのは現実的ではありませんから、計算はエクセルに任せましょう。エクセルの関数式は、下のエクセル・シートでいうと、
  ○ セルB4の式:  =B3*(365-A3)/365
  ○ セルC4の式:  =1-B4
となります。これらを入力して、下方向にコピーすれば完成です。
 この結果、q(40)=0.891 となりました。というわけで、冒頭の問いの答えは (オ) です。意外に高い確率だと思いませんか?

 コピーをもうちょっと続けましょう。その結果「クラスに同じ誕生日の人がいる確率」は50人のクラスで97%、57人のクラスで99%、68人のクラスで99.9%となりました。
 次に、このシートのC列をともに、q(n) のグラフを描いてみました。横軸が「人数」、縦軸が「同じ誕生日の人がいる確率」です。


 クラスの中に同じ誕生日の人がいるのは、偶然でも珍しいことでも何でもないんですね。むしろみんなの誕生日が違うことの方がよっぽど珍しいことなんです。


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