2019年3月20日水曜日

球の表面積の求め方(その1)

 前の記事「球の高さを n 等分すると表面積はどうなるか?」の答えを出すために、その前に「球の表面積」をどうやって求めるかを考えた。

まずはじめに、練習として「円の面積」を考えよう。
 半径 r の円を無限にたくさんのおうぎ形に分けると、1つ1つのおうぎ形は「高さ r、底辺の長さ Δx の三角形」とみなすことができる。その三角形の面積は r×Δx÷2 。次にそれらの面積をすべて足し合わせてみよう。高さはいずれも r で、底辺の長さの和は円の周の長さと等しくなるので「円の面積=円周の長さ×r÷2」が成り立つ。半径 r の円の周の長さは ℓ=2πr なので、面積Sは S=ℓ×r÷2=πr2 となる。

 次に、同じ考え方で、球の表面積と体積の関係を考えよう。
 半径 r の球の表面を無限にたくさんの面に分けると、球の中心を頂点とするたくさんの錐体ができる。これら1つ1つの錐体は「高さ r、底面積 ΔS の錐体」とみなすことができて、その体積は r×ΔS÷3 。次にそれらの体積をすべて足し合わせてみよう。高さはいずれも r で、底面積の和は球の表面積と等しくなるので「球の体積=球の表面積×r÷3」が成り立つ。半径 r の球の体積 V が V=4πr3÷3 であることは高校「数学Ⅲ」で説明しているのでそれを使うと、球の表面積Sは S=V×3÷r=4πr2 となる。

 この考え方は球の表面積公式を直感的に理解するのに良い方法だと思うけれども、残念ながら、ここから「球面を帯状に切った部分の面積」を求めるのは難しそうだ。

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