2019年3月20日水曜日

我流でゲーデル解釈

ゲーデルの完全性定理
これは、正しい論理体系に関する定理である。正しい論理とは、
  • 三段論法 「A ならば B である。A である。 → よって、B である。」
  • 推移律  「A ならば B である。B ならば C である。 → よって、A ならば C である。」 ・・・ など。
ゲーデルの完全性定理が示したことは、
  • どんな命題であっても、前提と論法から導けるか否か(真か偽か)を、必ず示すことができる。
  • 前提と論法から正しく導ける命題(真である命題)は、有限個である。
すなわち、正しい論法をアルゴリズム化して、前提となる正しいもの全てをデータベース化すれば、
  • コンピュータで、そこから導ける「正しい命題の一覧」を作ることができる。
  • ある命題をコンピュータに入力すれば、瞬時に「真偽を判定してくれるプログラム」を作ることができる。
ということになる。どんな論理体系であっても、それが可能であることを、ゲーデルは示した。
そこに矛盾が生じず、判定不能に陥ることもない。だから「完全」だというわけである。


ゲーデルの不完全性定理
一方でゲーデルは「数が絡むと、途端に完全ではなくなる」ことを示した。
  • 真偽を判定できないものが発生する。
  • 真であることが明らかなのに、証明できないものが発生する。
これが、ゲーデルの不完全性定理である。そして、これは、
  • 数学においては、コンピュータのような機械的な操作では、証明も真偽判定もできない 。
  • 数学で体系化できないものを使って、人は定理を証明し、真偽を判定している。
そういう部分があることを示している。ところで、「数が絡む」ということは、科学全般に当てはまるということだ。
  • 科学は不完全なものである。人間は、科学によって完全な理解を得ることはできない。
  • ある物差しを当てれば、それに応じて現象が見えてくるというに過ぎない。
だから「不完全」だというわけである。これを「限界」と見るべきか、それとも「可能性」と見るべきか。
 考えてみると、「数学の限界」を、人が「数学的に証明」したのである。なんともおもしろいことではないか。

以上、我流の解釈です。

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