これは、正しい論理体系に関する定理である。正しい論理とは、
- 三段論法 「A ならば B である。A である。 → よって、B である。」
- 推移律 「A ならば B である。B ならば C である。 → よって、A ならば C である。」 ・・・ など。
- どんな命題であっても、前提と論法から導けるか否か(真か偽か)を、必ず示すことができる。
- 前提と論法から正しく導ける命題(真である命題)は、有限個である。
- コンピュータで、そこから導ける「正しい命題の一覧」を作ることができる。
- ある命題をコンピュータに入力すれば、瞬時に「真偽を判定してくれるプログラム」を作ることができる。
そこに矛盾が生じず、判定不能に陥ることもない。だから「完全」だというわけである。
<ゲーデルの不完全性定理>
一方でゲーデルは「数が絡むと、途端に完全ではなくなる」ことを示した。
- 真偽を判定できないものが発生する。
- 真であることが明らかなのに、証明できないものが発生する。
- 数学においては、コンピュータのような機械的な操作では、証明も真偽判定もできない 。
- 数学で体系化できないものを使って、人は定理を証明し、真偽を判定している。
- 科学は不完全なものである。人間は、科学によって完全な理解を得ることはできない。
- ある物差しを当てれば、それに応じて現象が見えてくるというに過ぎない。
考えてみると、「数学の限界」を、人が「数学的に証明」したのである。なんともおもしろいことではないか。
以上、我流の解釈です。
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