(2011年7月)
中学・技術科の教員免許は取り難い。なぜか? どのように? では、説明しよう。
◇ まず、技術科の免許を取れる大学が少ない。
技術科の内容が工学部・農学部・教育学部で学ぶ領域にまたがるため、大学にとって設置し難いのだろう。たとえば東京都に大学は星の数ほどあるけれど、技術科の免許が取れる大学は8校しかない。いわゆる東京六大学には1つもなくて、ボクの地元、神奈川県で4校である。
◇ 次に、技術科の免許を取るには手間がかかる。
技術科の免許を取るために履修しなければならない科目は実習系の科目が多い。これがやっかいだ。なにしろ実習系の科目は座学系の科目に比べて、授業時間が長い割に単位数が少ない。しかも木工に栽培、金属加工など多岐にわたる。だから他の教科の免許を取るのに比べて手間がかかる。
◇ さらに、中学・技術科のために取った単位は他の校種・教科で使い回せない。
たとえば中学・数学と高校・数学の免許は別物だが、それらを取るのに必要な単位はかなり重なっている。国語でも体育でも家庭科でも同じ。だから教員免許を取る学生のほとんどは、中高の免許を同時に取る。ところが、技術科は高校には無い。他の教科のように中高の免許を同時に取ることが出来ないのだ。
まとめて言うと、中学・技術科の教員免許は、取るチャンスが少なくて、取るのに手間がかかるのに、それを取ったときのメリットが他の教科に比べて小さいのだ。踏んだり蹴ったりである。日本の教員免許制度のちょっとした欠陥なのかもしれぬ。
さて、かく言うボクは中学・技術科の免許をこれから取ろうかと考えている。ボクはすでに中学で1教科、高校で2教科の教員免許を持っている。そして現に教員として勤めている。文科省のルールに従えば、新たに9単位ほど取れば、中学・技術科の教員免許を取れるはずなのだ。
ところが、具体的にどこで、どのように単位を取ろうかと探してみると、なかなか無いのである。上に書いたように、そもそも技術科の免許を取れる大学が少ない。また、技術科の免許を取れる大学であっても、すんなりボクを受け入れてくれるとは限らない。その大学の卒業生に限るとか、初めて免許を取得する人に限るとか、いろいろ条件が付いている。
科目履修生という制度がある大学でも、受けられるのは座学系の科目だけで、実習系の科目はダメだと言う。それでも今日一日ネットであれこれ調べて、電話しまくって、通えそうな学校をなんとか1つだけ見つけた。
他の教科の免許を取るならずっと簡単なのだ。教科によっては放送大学などの通信課程でやる手もある。ところで、こんなにも取り難くて取り損な中学・技術科の免許は、考えようによっては希少価値なのかもしれぬ。来年1年でなんとかゲットしてやろうかな、と。。。
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