2019年4月18日木曜日

少子高齢化と国債残高が嫌なら外国で働けばいいじゃん!

(2016年11月)

 NHKスペシャル「がん治療革命が始まった」を見ながら娘が言った。「がんが治って高齢者がもっと長生きしたら、若者の負担がますます大きくなっちゃう」。まさに自分の身に降りかかってくることとして受け止めている。
 僕は言った。「少子高齢化だけじゃないよ。日本政府の借金も若者が返済するしかないんだから」。
 僕は続けた。「それが嫌なら、外国で働けばいいじゃん!」。娘が怪訝な顔をしているので、解説した。
「稼いだ国で税金を納めるんだから、人口が増えている国、借金を抱えていない国で働けば、日本で働くよりずっと安い税金で済むよ。東南アジア一帯ならどこでも日本よりマシだろうな。稼いだ分を丸々自分で使おうと思うなら、外国で働け」
 娘が言い返した。「でも東南アジアで働いたら、給料安いんじゃないの?
「いま現在はそうかもね。でもグローバル化が進んで人と物の動きが自由になったら、給料も物価も近づいていくだろうな。同じ仕事なら世界のどこで働いても給料は同じ。同じ暮らしぶりならどこに住んでも生活費は同じ。それがグローバル化の帰結なのさ。さて、給料も生活費も同じなのに、1つだけ違うものがある。何だと思う?」
 娘が答えた。「あっそうか、税金か」。そう、税金は国家の事情で決まる。日本の特殊事情が少子高齢化と国債残高というわけだ。
 娘は「なるほど」という顔をした。娘は僕に向かって「ピンコロ(「元気でピンピン→コロリと死ぬ」の略)でよろしく!」と言うような賢い子だから、その辺は合理的に考えて行動するのかもしれない。

 そう考える若者が増えれば、ますます日本の財政は厳しくなる。真っ先に立ち行かなくなるのは年金だろう。
 ところで、考えてみると変な話だが、外国へ出れば義務は免除される一方で、外国へ出ても権利は守られる。国債の話だ。つまり収入が多くかつ資産(国債)を多く持つ者は、拠点を外国に移せば、借金返済の義務は免れて、債権の元本ならびに利子は確実に受け取れる。そう考えると、日本の破たんはますます近い。
 最近世界で起きている問題の多くは「グローバルとローカルのせめぎ合い」に起因する。ここで言うローカルとは、国境=国家のことである。パナマ文書難民、IS、格差、トランプ氏当選など。日本の少子高齢化と国債残高も、これから同じ波に揺さぶられる。

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