2019年4月30日火曜日

場合の数の数え方(P,C,π,H の使い分け)

 場合の数を数えるための公式4つ。これら4種が「何を区別して、何を区別していないか」を自覚して、これら4種を比較しながら使い分けたい。


 まず、同じことは「異なる n 個の中から r 個取り出す」という点。「異なる」という部分がポイントで、つまり P であれ C であれ π であれ H であれ「n 個のものを区別している」ということ。この点をまず確認しておこう。
 その上で、r 個取り出す際に「重複不可=同じものを何度も取り出してはいけない」のか「重複可=同じものを何度も取り出して良い」のかの違いで2種類に分けられる。また、また取り出す「順番を区別する」のか「しない」のかの違いで、こちらの方でも2種類に分けられる。それらの組み合わせで、全部で4種類になる。
 それぞれ順列 nPr ,組合せ nCr ,重複順列 nπr ,重複組合せ nHr と呼ぶ。



 このうち順列 nPr と組合せ nCr については教科書にも載っているし、練習もしているだろうからここでは説明せずに、重複順列 nπr と重複組合せ nHr について簡単に説明しよう。

◇ 重複順列 nπr
例:大中小3個のサイコロを投げて出る目の場合の数は、6π3=63=216通り
一般に、異なる n 個の中から重複を許して r 個取り出す(順番を区別する)
 → nπr=nr
◇ 重複組合せ nHr
例:x+y+z+w=10 を満たす負でない整数解の個数は?
  ○○○│○○○○│○│○○ ←→ (x , y , z , w)=(3 , 4 , 1 , 2)
  ││○○○○○○○○○○│ ←→ (x , y , z , w)=(0 , 0 , 10 , 0)
              :
と考えれば1:1に対応するから、○10個と棒3本を並べる場合の数を数えればよい。 4H1013C1013C3= 286 個
一般に、異なる n 個の中から重複を許して r 個取り出す(順番を区別しない)
 → r 個の物を n 種類に分ける(規則正しく並べよう)  
 → r 個の○と n-1 本の棒を1列に並べる
 → nHrn+r-1Cr
では、次の問題をやってみよう。



【問】サイコロを3回投げて出た目の数を順に a , b , c とする。次の確率は?
  (1) a , b , c がすべて異なる。
  (2) a<b<c となる。
  (3) a ≦ b ≦ c となる。



《答え》
 (1) 6P36π3=6・5・4/635/9
 (2) 6C36π3=6・5・4/3!・635/54
 (3) 6H36π38C3/637/27

0 件のコメント:

コメントを投稿