2019年5月4日土曜日

浜松医大2017入試より統計の問題

浜松医大2017入試「数学」より



以下の問いに答えよ。

(1) いくつかのデータを比べるとき、それぞれのデータの特徴を1つの数値で表すと比較しやすい。そのような数値を代表値という。
 代表値としてよく用いられるもののうち3つを挙げ、それぞれの定義を述べよ。

(2) 次の2つの表は、糖尿病患者100人(表A)と糖尿病でない健常者100人(表B)を対象に採血検査「HbA1c」の結果を度数分布表の形にまとめたものである。(ここでは HbA1c の値を小数点以下四捨五入していることに留意せよ。)


 (1) で回答した3つの代表値を、表Aおよび表Bに対してそれぞれ求めよ。

(3) 表Aと表B、2つのデータを用いて、糖尿病か否かを判断したい。このため判断に用いる値 c を定めて、HbA1c の値 c が以上なら糖尿病である、c 未満なら糖尿病でないとする判定方法を採用する。そして、健常者を糖尿病としてしまう人数と糖尿病患者を健常者としてしまう人数の合計を総数の 200 で割った比率を誤診率と定義する。このとき、上記 200 人のデータに対して、誤診率が最小となるような c の値を求めよ。

(4) (3) においては、「健常者を糖尿病としてしまう人数と糖尿病患者を健常者としてしまう人数の合計」によって誤診率を定義したが、その他にどのような定義が考えられるか。別の定義を新たに2つ与えて、その意図するところを述べよ。

(補足)この問題に用いた上記データは架空のものである。実際の診療では、検査値「HbA1c」だけによるのではなく、症状、病歴、生活習慣、他の検査結果などを総合して診察が行われる。



《答》
(1) 平均値:
   中央値:
   最頻値:

(2)     表A  表B
  平均値  7   6
  中央値  7   5
  最頻値  7  5.5

(3) c=7

(4) (定義2)誤診率=糖尿病患者を健常者としてしまう割合
      意図:糖尿病に罹っている可能性のある人を極力見落とさないようにする。
   (定義3)誤診率=健常者を糖尿病患者としてしまう割合
      意図:確実に糖尿病に罹っている人だけを抽出する。
         健常者は極力入らないようにする。



◇ (1) と (4) の問題はおもしろいが、高校の定期試験問題には出しにくそう。

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