2019年5月20日月曜日

娘をフィリピンにおいてくる案

(2016年夏)

 前の記事「フィリピン英語学校、潜入取材計画」に書いたように、この夏休みに中学2年の娘と2人でフィリピンに英語留学に出かけます。
 さて、フィリピンに英語学校は星の数ほどあります。多いのは首都圏マニラとフィリピン第2の都市セブですが、私と娘が選んだのはマニラからバスで3~4時間ほど離れたところにある英語学校です。なぜそこを選んだのかを話しましょう。
 マニラなど都会の英語学校ではビルの一室をブースで区切ったような場所でレッスンする形が多いのですが、そんな場所で1人の先生とマンツーマンで1日6時間もいると息が詰まりそうです。それに比べて田舎の学校では木陰や庭のベンチや東屋のような屋外でレッスンできて、その方が開放的で楽しそうです。私たちが選んだ英語学校はマンゴー畑に囲まれているということです。その環境が良さそうに思ったわけです。
 そこを選んだのには、もう1つ理由があります。実はその学校は、幼稚園から大学まで抱える総合学校で、その一部として英語学校があるのです。
 以下、現在の私の推測で、実際のところは夏休みに現地に滞在してインタビューしてこようと思っているのですが、現在の私の考えを聞いてください。
 英語学校の学生は日本人が多いようですが、メインの幼稚園~大学に通っているのはほとんどがフィリピン人の上流階級の子供たちでしょう。フィリピンには貧しい家庭が多いのですが、そんな家庭の子たちは通えないはずです。そこの授業料などについても夏に行ったときに聞こうと思っていますが、恐らくはフィリピンの物価水準からすればずいぶん高額でしょう。でも、日本の物価水準からすれば、とても安い。だから狙い目だと思うのです。
 授業料だけではありません。恐らくその学校に通うフィリピン人の子たちは10年後、20年後のフィリピンのリーダー達なのではないだろうかと思うのです。企業のオーナーだったり、幹部だったり、そんな家系の子供たちばかりが通っているのではないかと私は想像するのです。
 フィリピンは発展途上国ですから平均的には日本よりずっと貧しいですが、貧富の差は日本よりずっと大きい。フィリピンのお金持ちは私よりよっぽどお金持ちで、そんな人たちがたくさんいるのです。しかもフィリピンは現在急成長中で、英語圏という点も有利に働いて、将来性は高いと思うのです。
 さらに言うと、フィリピンの人口はすでに一億人を超え、人口ピラミッドを見ると、まさにきれいなピラミッド型をしています。人口減少にある日本とはまるで違います。
 その学校に、もし娘が通うとしたならば、さてどうなるでしょうか。これまた私の想像なのですが、娘は英語を学び、英語で他の教科を学び、未来のフィリピンのリーダーたちと一緒に学び生活することになるわけです。そのネットワークは、娘が社会に出る際に大きなアドバンテージになるでしょう。もちろん娘は日本語は堪能です。家族や友人を通じて、日本ともつながりもあります。そう考えると、チャンスが広がるんじゃないかと、そんな気がするのです。
 こういう育ち方も良いんじゃないでしょうか。「留学するなら欧米の方が良い」と言う人もいるでしょう。けれども、私は必ずしもそうは思わないのです。実際問題、日本企業がどこの国々の企業と一緒に仕事をするかと言うと、中国や韓国や東南アジアの企業と仕事をする方が多いんですね。また、多くの学生が欧米を目指すなら、なおさら東南アジア方面は狙い目だと思うのです。

 そんなことを考えて、私は娘に言っています。「場合によっては、お前をフィリピンに置いてくるからね。父さん一人で帰っちゃうかもしれないよ」と。冗談9割、本気1割で、そう言っています。
 この夏にその決断をすることはないでしょうけれど、来年中学3年になってから、あるいは高校生になってからも何度かその英語学校に通うことになれば、そのうちにフィリピンの学校に正規入学することもあり得ない話ではないと私は思っています。可能性の1つと捉えています。日本の大学に進む場合も、その経歴はマイナスになるよりも、むしろプラスに働くかもしれませんし。

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