2019年5月13日月曜日

実習生におしゃべりしてもらった(その2)

(2015年夏)

 昨日の 記事 に続いて、今日は(その2)。授業中に教育実習生に、研究のことでも大学生活のことでも何でもいいのでしゃべってもらった。ウチの学校の卒業生で、現在は東北大学の学生。以下、彼の談をボクの記憶に残っている範囲で要約して紹介する。

◇ 彼が高校を卒業したのが2010年度。
 2011年度の大学受験で彼は国立前期で東北大に、後期で北海道大に出願した。
 前期試験の合格発表が3月10日、彼は晴れて東北大に合格した。

◇ そうなると後期試験は受験する意味がなくなった。後期の試験日は3月12日。
 あらかじめ羽田から千歳までのフライトと札幌市内のホテルの予約も入れていた。
 受験する意味がなくなったけれども、カニ食いたい、ラーメン食いたい、合格祝いに北海道で遊びたい。

◇ こうして後期試験の前日の昼頃に羽田発・千歳行きの飛行機に乗った。
 3.11当日である。ちょうど津波が襲ってくる時間帯、彼は三陸上空にいた。
 飛行機の小さい窓から下を見れば波が見えたのかもしれないが、乗客がそのことを知るはずもない。

◇ 千歳空港に着いて電車で札幌に向かった。電車は普通に動いていた。
 電器屋が好きな彼は、札幌駅に着いてまず駅前のビックカメラに入った。そこで震災を知った。
 彼は予定通りあれ食ってこれ食って、後期試験終了に合わせたフライトで東京に戻ってきた。

◇ それから彼は東北大学の学生として、いま5年目の学生生活を送っている。
 志望校を決める頃、受験に挑む頃には全く考えてもいないことだったが、復興とともに学生生活を送ることになった。

 そういえば、そんなタイミングだったんだよね。彼に限らず、東北在住の受験生、東北方面を受けた受験生はいろんな経験をしたんだろう。
 話を聞いたのは現高校1年生。震災当時は小学5年生だった。実習生に何でもいいから話してもらおうというこの企画、気に入った。来年以降もどんどん取り入れたいと思う。

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