2019年12月6日金曜日

天使か悪魔か妖精か(3)

 天使はいつも本当のことを言う。悪魔はいつもウソをつく。妖精は気まぐれで、本当のことを言うこともあれば、ウソをつくこともある。
 A,B,Cの3人のうち、1人は天使で、1人は悪魔で、1人は妖精である。A,B,Cが次のように言った。
A:「私は天使ではありません」
B:「私は悪魔ではありません」

C:「私は妖精ではありません」
 さて、A,B,Cはそれぞれ何者か?

※《答え》は次の選択肢ア〜カから選んでください。

天使天使悪魔悪魔妖精妖精
悪魔妖精天使妖精天使悪魔
妖精悪魔妖精天使悪魔天使



○ Aの発言は、実は妖精にしか言えないことなのだ。なぜなら、
  ・「Aが天使」なら、Aがウソをついていることになるから、矛盾する。
  ・「Aが悪魔」なら、Aが本当のことを言っていることになるから、矛盾する。
  ・「Aが妖精」なら、Aが本当のことを言っていることになるが、矛盾しない。
  以上から、Aは妖精 であることがわかる。

○ そうなるとBとCのどちらかが天使でどちらかが悪魔だが、
  どちらが天使でどちらが悪魔かはBの発言からは決まらない。
  ・「Bが天使」ならBが本当のことを言っていることになり、
  ・「Bが悪魔」ならBがウソをついていることになって、いずれにしても矛盾しない
  からである。

○ ところでCの発言は、天使と悪魔の両者にとって正しいことである。
  だからCは悪魔ではない。したがって、Cは天使 である。こうして、Bは悪魔 である。

以上から、《答え》は  カ「A:妖精 ,B:悪魔 ,C:天使」 である。



A,B,Cの発言が次のようだったら、どうだろうか。
A:「Bは天使ではありません」
B:「Cは悪魔ではありません」

C:「Aは妖精ではありません」
この場合、A,B,Cはそれぞれ何者か?



 前の問題は「自分のこと」を語っていたわけだが、「他人のこと」を語るとより難易度がアップします。

○ 「Aが天使」ならその発言「Bは天使でない」は正しい。これは矛盾しない。
  このときBとCは悪魔か妖精かのどちらかであるが、
  ・Bが悪魔だったら、Bの発言「Cは悪魔でない」が正しいので、矛盾する。
  ・Cが悪魔だったら、Cの発言「Aは妖精でない」が正しいので、矛盾する。
  以上から、Aは天使ではない。

○ 「Aが悪魔」ならAの発言「Bは天使でない」がウソ、すなわち「Bは天使」ということになる。
  このとき「Cは妖精」となるが、B(天使)の発言が正しいから、矛盾しない。
  よって「A:悪魔 ,B:天使 ,C:妖精」がありうることになる。

○ 「Aが妖精」ならAの発言は無視して考えてよい。
  このときBとCは天使か悪魔のいずれかだが、Cの発言「Aは妖精でない」がウソなので、「Cは悪魔」である。
  そうなると「Bは天使」だが、Bの発言「Cは悪魔でない」がウソなので矛盾する。

以上から、《答え》は 「A:悪魔 ,B:天使 ,C:妖精」である。



他のパターンも見てみよう。3人の発言の中に「A・B・Cが1回ずつ、天使・悪魔・妖精が1回ずつ」出てくるパターンは他に4通りある。
A:「Cは天使でない」
B:「Aは悪魔でない」
C:「Bは妖精でない」
なら  イ「A:天使 ,B:妖精 ,C:悪魔」と1つに決まる。
A:「私は天使でない」
B:「Cは悪魔でない」
C:「Bは妖精でない」
このパターンはどの組み合わせにおいても矛盾するから、このような発言はありえない
A:「Cは天使でない」
B:「私は悪魔でない」
C:「Aは妖精でない」
なら「A:天使 ,B:悪魔 ,C:妖精」か「A:悪魔 ,B:妖精 ,C:天使」か「A:妖精 ,B:天使 ,C:悪魔」のいずれかで、1つに決まらない
A:「Bは天使でない」
B:「Aは悪魔でない」
C:「私は妖精でない」
このパターンもどの組み合わせにおいても矛盾するから、ありえない

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