2020年7月26日日曜日

もったいないのココロ

「もったいない」とはもともと「おそれおおい」や「ありがたい」と同じような意味合いの言葉だった。最近では「物を無駄にしない」とか「節約する」という意味で使うようだが、もともとの使い方はちょっと違う。

  ◇ 畑でとれたものは神様から頂いたもったいないものだから、
    粗末に扱っちゃいけない
  ◇ 熊の体は熊が人間にくれたもったいないものだから、
    肉も皮も毛もすべて大事に使わせてもらおう
  ◇ 鎌(かま)や鍬(くわ)は農作業に使うもったいない
    ものだから、足でまたいじゃいけない

 この言葉、すべてに神が宿ると考える日本人の感性に由来する言葉である。だから、時には無駄使いに見えるような行為にもなる。

  ◇ 食事のたびにもったいないご飯を神棚に供える
  ◇ 収穫物からできたもったいないお酒を庭にまく
  ◇ 自分の修養のために使わせてもらったもったいない道具を燃やして神様に返す

 もともとの意味合いでは、捨てるという「行為」がもったいないのではない。神様が宿ったその「物」がもったいないのである。極めて日本人的な言葉である。

0 件のコメント:

コメントを投稿