(図1)は厚生労働省のサイトで公表している「世帯の所得の分布」(2019年)のグラフです。ただし、一部、文字を伏せているところがあります。
(ア)と(イ)には「平均値」と「中央値」のどちらかが入ります。さて、(ア)と(イ)のどちらが「平均値」でしょうか、どちらが「中央値」でしょうか。また、「最頻値」はいくらでしょうか。
(ア)と(イ)には「平均値」と「中央値」のどちらかが入ります。さて、(ア)と(イ)のどちらが「平均値」でしょうか、どちらが「中央値」でしょうか。また、「最頻値」はいくらでしょうか。
まず一番わかりやすいのは「最頻値」でしょう。値が最も多くなるところ、すなわち棒の高さが最も高いところ、この場合は「200万円〜300万円」がそれに当たります。数学の教科書的には、その幅の真ん中の値をとって、最頻値は「250万円」となります。
次に「平均値」と「中央値」について考えてみましょう。グラフに各所得区分ごとの割合が書いてありますから、上から順にもしくは下から順に足していけば、中央値がおよそわかります、平均値については2000万円以上が一括りになっているために、グラフから平均値を求めることはできません。
それはそうと、平均値と中央値ではどちらが上でどちらが下でしょうか。グラフの形から判断してください。
答えは、グラフの下の方、すなわち「437万円が中央値」で、グラフの上の方、すなわち「552万3千円が平均値」です。グラフの右の方、すなわち少数だけれども非常に高額の所得を得ている人たちがいる影響で、平均値は中央値より大きくなります。
端的に言えば、少数の大金持ちが平均値を釣り上げているわけです。でもその人たちの人数は少ないですから、中央値にはほとんど影響を与えないのです。
平均値 | 552万円 |
中央値 | 437万円 |
最頻値 | 250万円 |
相対的貧困率 | 20% |
ところで「相対的貧困」とはどういうものかというと、世帯の所得などが全体の「中央値の半分以下」であることをいいます。ということは、全体がどれだけ豊かになろうと、豊かさにバラツキがあれば、必ず相対的貧困は存在することになります。
でも冷静に考えてみると、「子供の6人に1人が相対的貧困」と言われても、その数字が大きいのか小さいのかよくわからない。それがどれだけ大変なことか、あるいはそうでもないのか、実はよくわからない。
では、上の所得グラフから「中央値の半分以下の割合」を求めてみましょう。中央値437万円の半分は218.5万円で、その割合はおよそ20%。これが所得が中央値の半分以下の世帯の割合とみなすことができます。
これをもって相対的貧困率としてもよいでしょう。「子供の」というより「大人の相対的貧困率」と言ってもよいものでしょうけれども、「家計の所得」を元に計算すると、「5人に1人が相対的貧困」ということになります。
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