2021年1月17日日曜日

シミュレーション・ソフトとしてのエクセルの利用

 記事「プログラミング的思考とは?」に私は書きました。
  • 思いついたこと・考えたこと・イメージしたことをデジタルの世界で実現すること、それがプログラミング。
  • 目線が遠く(ゴール)と近く(コード)と全体(システム)とを自由に行き来すること、それがプログラミング的思考。
  • その一連の作業のあらゆる場面で「言葉にする」ことがとても大事。
 これらのことを「埃が風に舞う」の問題を例に見てみましょう。


 遠くを見つめる望遠鏡目線と、近くを凝視する顕微鏡目線と、全体を見渡す鳥の目線の3つが連動して、少しずつモデルが出来ていきます。


 モデルが見えてきたら、ステップごとに標題をつけます。これは「自分がいま何をやろうとしているのか」を意識化することでもあります。同時並行で関数式を立てますが、その際はエクセル君にわかる言葉でやさしく語りかけなければいけません。そして最後にグラフ化することで、うまくできているかどうかを確認できます。また、うまくいった暁にはみんなで共有できるものになります。
 実際の作業は行きつ戻りつになるでしょう。失敗しながら修正していくうちに、だんだんとモデルがくっきりしてくるでしょう。そして期待通りのグラフが描けたら完成です。
 記事「プログラミング的思考とは?」に私は「統計+数学+プログラミング=人工知能」と書きました。そのうち統計処理をするにはエクセルが最適でしょう。エクセルの関数式を立てる際に一般化したり論理構造を考えたりすることで、数学的な考え方が身につきます。そしてたった今見たように、エクセルを使うことでプログラミング的思考も身につきます。
 エクセルは表計算ソフトというより、統計ソフトであり、シミュレーション・ソフトであり、プログラミング・ソフトです。そして私は思うのです。人工知能を学ぶには「エクセル→統計→人工知能」の順番で進めるのが最も効果的で効率的だろうと。数学やプログラミングから入ると、人工知能に行き着くのはだいぶ先なりそうです。

 ところで、私は授業ではマクロ(VBA= Visual Basic for Applications)は使わない派です。エクセル関数のうち基本的なものだけを使って、それをどう組み合わせるかを考える方が、簡単な割に多くのことを学べるからです。生徒にとって取っ付きやすくて、達成感があって、つまり楽しいからです。

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