2019年3月15日金曜日

地球の裏側に最も速く行き着く方法(2)


 上の記事「地球の裏側に最も速く行き着く方法」で「地面に穴を掘って地球の裏側まで貫通させて、そこに飛び込んで自由落下すると 38分 で地球の裏側に到達する」ことを示しましたが、そこでは重力加速度を「地球の中心に到達するまでは −9.8m/s2 で、中心を過ぎてからは +9.8m/s2」として計算しました。けれどもその計算は雑すぎるという意見もありますので、もう少し精度の高い計算をしてみます。

 重力加速度が −9.8 から +9.8 への変化をなめらかに変化するように、三角関数を使ってみます。前の記事の式より近似式になっているはずです。そうすると、

   s = k cosωt      (s : 地球の中心からの距離)
    ↓微分  ↑積分
   v = −kω sinωt    (v : 速さ)
    ↓微分  ↑積分
   a = −kω2 cosωt   (a : 加速度  いずれも上方向が正で、下方向が負)

となります。ここで k は地球の半径 6,400km=6,400,000m です。ωは角速度です。また、kω2 が地表での重力加速度 9.8m/s2 となればよい。さらに、地球の裏側に到達する時間 t1 は、地球半周分すなわち πラジアン だけ回ったときです。以上を式で表すと、

   k=6,400,000    ・・・ (1)
   kω2=9.8≒10    ・・・ (2)
   ωt1=π      ・・・ (3)

 さぁて準備は整いました。ここから一気に t1 ならびに v1 を求めましょう。

   (1),(2) より 1/ω2≒6,400,000÷10=640,000 → 1/ω=√640,000=800
   (3) より 地球の裏側に到達する時間は t1=π/ω=3.14×800=2512 秒≒ 42分
   地球の中心を通るときの速さ(最高速度)は v1=−kωsinωt1/2=−kω=−8,000m/s=−28,800km/h

 前に出した数値とそれほど大きな差があるわけではありませんが、でもだいぶ精度が上がったはずです。


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