最大の素数があると仮定して、その数を N とする。(1) ア に適切な不等号を、 イ に適切な数を入れよ。
ここで N 以下のすべての素数の積に 1 を加えた数を M とする。
すなわち M=2×3×…×N+1 である。
このとき M ア N である。
また、M を N 以下のどんな素数で割っても必ず イ 余る。
よって、 M は素数である 。
しかし、これは「N が最大の素数である」ことに矛盾する。
以上から、背理法によって「最大の素数はない」ことが示された。//
(2) この証明が正しいなら「○」をかけ。不備があるなら下線部を書き変えて、正しい証明に直せ。
先日、数学の中間試験で出した1題。授業で「背理法」による証明問題を扱ったので、そこからの出題です。我ながら珠玉の1題だと思う。
さて、出来栄えはと言うと、そんなに難しい問題だとは思わなかったのだが、高校2年文系129名のうち、全滅ではなかったものの、正答率は1%以下。ぜひ、みなさんも考えてみてください。
ところで、もし「最大の素数はない」なら「素数は無数に存在する」ということになる。そして実は上の(正しく直した方の)証明は、古代ギリシャの時代にユークリッドが著した「ユークリッドの原論」に載っている。紀元前3世紀ごろの作である。
【答】
(1) ア > イ 1
(2) M は素数 かまたは N より大きい素数で割り切れる。
└→ たとえば、2×3×5×7×11×13+1=30031=59×509
(つまり、どっちにしても「N より大きい素数がある」ことになる)
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