2019年3月18日月曜日

「n個のサイコロの目の和」はどのような分布になるか

<実習6>
 「2つのサイコロの目の和」はどのような分布になるか。エクセルでやってみよう。

<mission 6>
 実習4,実習6をアレンジして、エクセルで正規分布を描け。もしくはもっと簡単に正規分布を描く方法を探せ。



<解説>
 <実習6>で「2つのサイコロの目の和」の回数をカウントするには、右表のようにA列とB列でサイコロを振って、
   = ROUNDUP (RAND ( )*6 , 0)
C列でその和をとって、
   ・セルC2 =A2+B2
F列で目の和(2~12のいずれか)をカウント
   ・セルF2 = COUNTIF (C:C , E2)
すればいいですね。
 ただしこの場合も、サンプル数が少ないと偏りますから、少なくとも1,000個、できれば10,000個くらいのサンプル数でやった方がよりくっきりと形が見えるでしょう。
 2つのサイコロの和のデータを10,000個作ってグラフ化したものが右です。見てのとおり、左右対称な折れ線(2つの直線)になりました。

 さて次の<mission 6>ですが、「サイコロ1つ」、「サイコロ2つ」と来たわけですから、試しに「サイコロ3つの和」の回数を数えてみてください。
 さて、「サイコロ1つの目」、「サイコロ2つの目の和」、「サイコロ3つの目の和」の回数をそれぞれ10,000回発生させて、その和を集計してグラフにしたものが下図です。
 見ての通り、「サイコロ3つの目の和」は山形のなめらかな曲線になりました。はい、これが「正規分布」です。
 いや、正確に言うと、これは正規分布ではありません。「正規分布のようなグラフ」です。というのは、正規分布というのは要するに理想形ですから、ぴったり正規分布というものは現実には無いんです。そして、現実に無い正規分布がどういうものかをきちんと説明するには、関数式を示さなければ不可能です。でもそんなことをすると、正規分布が無意味に難解なものになってしまいます。
 だから、いいんです。上の「サイコロ3つの和」のグラフは正規分布になる・・・と言い切っちゃうことにしますね。そしてその言い方に従えば、足し算するサイコロの個数を4個、5個・・・と増やしても、やっぱり正規分布になります。

 ところで、実はもっと簡単に正規分布のグラフを描く方法があります。それは「ピタゴラスの三角形」を使う方法です。(図1)の4行目より下の行をグラフ化すれば正規分布になります。(図2)のように左寄せにして考えれば、エクセルで作るのも簡単です。下に行けば行くほど、より正規分布に近い形になります。(詳しくは こちら をどうぞ)


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