x の平均と標準偏差を求めよう。
得点 x | 人数 f | u | uf | u2 | u2f |
100 | 2 | ||||
75 | 3 | ||||
50 | 2 | ||||
25 | 1 | ||||
0 | 2 | ||||
計 | / | / |
<mission 5>
変換して相関係数を求めるための公式を作り、それが正しいことを証明せよ。
<解説>
ここでは2つのことを学習します。1つは「分散と標準偏差を求めるための公式」、もう1つは「データを変換して平均値と標準偏差を求めるやり方」です。生徒に配布した教材プリントには、それらと合わせて、その証明も載せています。
まず<実習5>で公式を確認しながら練習問題を3題やります。そのためにまずデータを変換します。下表のように変数 u の値を、およそ平均に近いと思われるところを 0 として、それより大きいものは +1 , +2 , … とし、小さいものは -1 , -2 , … とします。下表では u=(x-50)/25 ⇔ x=25u+50 と変換したことになります。
次に機械的に表を埋めます。
得点 x | 人数 f | u | uf | u2 | u2f |
100 | 2 | 2 | 4 | 4 | 8 |
75 | 3 | 1 | 3 | 1 | 3 |
50 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 |
25 | 1 | −1 | −1 | 1 | 1 |
0 | 2 | −2 | −4 | 4 | 8 |
計 | 10 | / | 2 | / | 20 |
- m(u)=2/10=0.2
- m(u2)=20/10=2
そして公式を使って、
- su=√2-0.22=√1.96=1.4
となります。さらに公式を使って、
- xの平均は m(x)=25m(u)+50=25×0.2+50=55点
- 標準偏差は sx=25su=25×1.4=35点
です。データ数が多いときなど、変換が効果的に使えますので、使いこなしましょう。
続いて<mission 5>。生徒たちは「与えられた公式を証明する」のには慣れていますが、「公式を作れ」と言われると困ってしまうようです。
<実習2>で定義に従って標準偏差と相関係数を求め、<実習5>で変換して標準偏差を求めることをやったのですから、2つ合わせて考えれば「変換して相関係数を求める方法」が気になるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。その公式は高校数学では出てきませんが、これまでやったことから推測できるんじゃないでしょうか。でも、推測だけじゃ心許ないので、証明もお願いします。
では、答えです。この場合、変数 x,y を変換したものを u,v として、x,y の相関係数をrx,y ,u,vの相関係数をru,v とすると「rx,y=ru,v」が成り立ちます。つまり「変換しても相関係数は変わらない」ということです。そのことを踏まえると、データの値をうまく変換して計算することの効果は大きいですね。ここでは証明は省略します。
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