2019年3月22日金曜日

分捕り合戦の取り分

 練習問題 No.1 (→ https://omori55.blogspot.com/2019/03/no1.html )の《解説・解答》です



(1) BカメラはYカメラの選択に関わらず「東口」を選ぶ。YカメラはBカメラの選択に関わらず「西口」を選ぶ。
 つまり、ゲームの解は(Bカメラ , Yカメラ)=(東口 , 西口)で、そのときのシェアは(40 % , 60%)
 結果的には、相手の戦略を考えなくても、両店とも自分の取り分が多い方を選べばよかった。

(2) 生徒会の選択は図書館の選択によって変わる。図書館の選択は生徒会の選択によらない。
 ゲームの解は(生徒会 , 図書館)=(グランド , 本)で、予算獲得額は(45万円 , 55万円)。
 生徒会が「77万円」という数に欲を出して「部室」を申請したら、32万円しか獲得できないことになる。相手の手を読まずに安易な選択をしたら、損してしまうという事例。

 プレーヤーの利得合計が一定であるゲームをゼロサム・ゲームと言う。ここでの2問はどちらもゼロサム・ゲームである。要は、一定量のパイを両者で奪い合う分捕り合戦である。
 ゼロサム・ゲームでは片方のプレーヤーの利得が分かれば、もう片方の利得も分かる。だから (1) でYカメラの取り分を計算せずにBカメラの取り分の数をそのまま使って「Bカメラの取り分が少ない方を選ぶ」と考えても結果は同じである。(2) でも同じように解くことができる。けれども上の解答のようにYカメラの取り分・図書館の取り分を書き出して他の問題と同じ手順で解いた方がわかりやすいだろう。



 ゼロサム同時ゲームの解は、記事に書いた (1) , (2) と他には「解なし」の全部で3パターンしかありません。(1) , (2) を時間差ゲームとして解くと、同時ゲームとして解いた場合の解と一致します。
 同時ゲームで「解なし」となるゲームを時間差ゲームとして解くと、解は1つに決まり、その場合は必ず「後手必勝」という結果になります。
 また、同時ゲームで「解なし」となるゲームを確率ゲームとして解いても、解は1つに決まります。
 試してみてください。


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