天秤ばかりで 1g から 120g まで 1g 単位で重さを測るには、普通に考えれば、答えは次のようになるでしょう。
おもりは最低何個必要でしょうか?
1g , 2g , 4g , 8g , 16g , 32g , 64g の 7 個このことは 2進法 で表記するとすっきりします。1 , 2 , 4 , 8 , 16 , 32 , 64 を2進法で表すと 1(2) , 10(2) , 100(2) , 1000(2) , 10000(2) , 100000(2) , 1000000(2) です。この7個の数のいくつかを足すと、2進法表記の 1(2) から 1111111(2) までのすべての整数を表せます。そのことを 10 進法で表すと、「1g から 127g まで 1g 単位で表せる」ということになります。
と書いてはみたものの、実はもっと少ない個数でできるんです。つまり、上の答えは × です。というのは、「おもりを片方の皿にだけ乗せる」ならそれで ○ なんですが、「両方の皿におもりを乗せても良い」なら答えは変わってきます。
たとえば、1g のおもりを右の皿に、3g のおもりを左の皿に乗せれば、右の皿に 2g の物を乗せたときに天秤は釣り合います。 つまり 1g のおもりと 3g のおもりで 2g の重さを測れることになります。 もちろん 1g のおもりと 3g のおもりを同じ側の皿に乗せれば 4g の重さを測れます。つまり「1g と 3g のおもりがあれば、1g から 4g まで 1g 単位で重さを測ることができる」ことになります。
では、その次の重さ、つまり 5g を測るには、何g のおもりを用意すればいいでしょうか。5g のおもりではありません。要するに、差が 5g になればいいのですから、次に必要なのは 9g のおもりです。右の皿に 1g と 3g の2つのおもりを乗せ、左の皿に 9g のおもりを乗せれば、5g を測れますね。そしてこのとき「1g と 3g と 9g のおもりで 1g から 13g まで 1g 単位で測れる」ことになります。(←ちょっと確認してみてください)
この考え方をさらに進めていくと、9g の次に必要なおもりは 27g で、そのまた次に必要なおもりは 81g となります。そしてこのとき「1g , 3g , 9g , 27g , 81g の5つのおもりで 1g から 121g まで 1g 単位で測れる」ことになります。というわけで、先ほどの【問題】の答えは、
1g , 3g , 9g , 27g , 81g の 5 個です。
みなさん、もうお気づきですね。おもりを片方の皿に乗せる場合は 20 , 21 , 22 , 23 … のように 2n g のおもりを用意すればよいのに対して、おもりを両方の皿に乗せてよいなら 30 , 31 , 32 , 33 … のように 3n g のおもりを用意すればよいということです。
天秤ばかりのおもりは、なぜ 2進法 なのか? いえいえ、3進法 でもいいんです。
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