2019年12月9日月曜日

4枚のカード問題

【問題】
 4枚のカードがあって、片面には数字1つが、もう片面にはアルファベット1文字が書いてあります。ある情報筋によると「偶数の裏は母音である」という話です。(どちらの面を表にしても、命題「片面が偶数 ⇒ その反対の面が母音」が真)
なるべく少ない枚数のカードをめくって「偶数の裏は母音である」がホントかウソか確かめるには、どのカードをめくればいいでしょうか。



《解説》
P:カードの片面が偶数  Q:カードの片面が母音  とする。
「偶数の裏は母音である」を論理式で書くと「P ⇒ Q」となる。
さて、「P ⇒ Q」の真理値は右表のようになる。
(表の 1 は 真 を、0 は 偽 を表す)
表で「P ⇒ Q」の欄が 0 になっているのは表の2行目だけだから、
P が 真 のときと Q が 偽 のときだけを調べれば十分である。
P が 真 のときというのは「片面が偶数」のときだから、「6」のカードにあたる。
Q が 偽 のときというのは「片面が子音」のときだから、「T」のカードにあたる。
「偶数の裏は母音である」がウソといえるのは、「6」の裏が子音のときか「T」の裏が偶数のときだけである。

 以上の説明で十分なはずだが、念のため「3」と「A」のカードについても確認してみよう。
「3」は奇数 すなわち P=0 だから、表の3行目と4行目をみると「P ⇒ Q」はどちらも 1 。
「A」は母音 すなわち Q=1 だから、表の1行目と3行目をみると「P ⇒ Q」はどちらも 1 。
つまり「3」と「A」のカードは、めくって何が出ても「偶数の裏は母音」の正しさは揺らがない。

まだ信じない人のために、試しに「A」のカードをめくってみることを考えよう。
もし「A」の裏面が偶数だったら、「偶数の裏が母音」だということになり文句なく正しい。
もし奇数なら「奇数の裏が母音」ということになるが、「偶数の裏は母音」が間違っていることにはならない。
結局のところ、「A」をめくって何が出ても「偶数の裏は母音」は正しい。
だから、めくっても無駄なのだ。



《 答え 》
」と「」の2枚のカードをめくればよい。


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