2019年4月5日金曜日

男女比に関する統計の問題

 ある町には2つの病院がある。大病院では毎日約30人、小病院では毎日約10人の赤ん坊が生まれる。当然ながら、赤ちゃんの約50%の赤ん坊が男児である。しかし、男児の出生率は日によって異なっており、50%より高い日もあれば低い日もある。

問1.1年間を通してみると、男児と女児が同数だったという日の数は、
   大病院と小病院とではどちらが多いか。
問2.1年間を通してみると、男児が60%より多かったという日の数は、
   大病院と小病院とではどちらが多いか。

[選択肢]   ア.大病院     イ.小病院     ウ.どちらもほぼ同じ



 サイコロで考えてみよう。サイコロを振って奇数の目 (1,3,5) が出る確率は 1/2 である。 この問題は「サイコロを投げる回数が多い場合と少ない場合において、奇数の目が出る割合がどうなるかを比較しよう」というのと同じことである。
 そこで、イメージしやすくするために、サイコロを10回投げた場合と、30回よりもっと極端に多く1万回投げた場合を比較して考えてみたい。 問1は「サイコロを10回投げて奇数の目が5回出る確率・・・A と サイコロを1万回投げて奇数の目がぴったり5千回出る確率・・・B ではどちらが大きいか」というのと同じことであり、問2は 「サイコロを10回投げて奇数の目が6回以上出る確率・・・C と サイコロを1万回投げて奇数の目が6千回以上出る確率・・・D ではどちらが大きいか」というのと同じことである。

A と C はどちらも現実によくありそうなことだが、それに対して B(1万回振ってぴったり半々)は意外と起きにくくて、D(1万回のうち奇数の目が6千回以上は現実にはまず起こりえない。

 なお、元の問題の通りの条件でグラフ化したものが右図(横軸:男児の人数、縦軸:確率)である。

 というわけで、(1) , (2) とも《答え》は「イ.小病院」です。

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