2019年4月15日月曜日

相手の立場でものを言う

 ある提案をして、それが採用されるか却下されるか、その審査結果を聞く場面。何の提案かというと、そうだな、とりあえず何かの企画を提案したということにしておこう。まぁ生活保護申請でもクラブ設立に関することでもなんでもいいんだが。



担当者(以下Aとする): 残念ですが、却下されました。
提案者(以下Bとする): はぁ?
A : いや、まことに残念ながら、却下されたということです。
B : あのう … それって、こっちの言い方ですよね?
A : はぁ?
B : 却下されたのは私です。あなたではありません。
    残念なのも私です。あなたが何を残念がるんですか?
A : あぁ、確かにそうですね。では、私は何と言ったらいいんでしょう?
B : そちらが言う場合は「却下した」と言うべきです。
A : はい、却下しました。申し訳ありません。
B : 申し訳あるかないかは関係ありません。ところで、なぜ却下したんですか?
A : 慎重に審査したんです。
B : それは却下の理由じゃないですね。私は却下した理由を尋ねています。
A : だから、その、他にも却下された人はいるんです。
B : あのう … まさかそれが理由じゃありませんよね?
A : あぁ、確かにそうですね。
B : ところで、却下した理由は何ですか?
A : そうですね … あなたがおっしゃることはよくわかります。
B : え?
A : だから、あなたの提案はごもっともなんです。
B : だったら、なぜ却下するんですか?
   それは提案を採用する理由にはなっても、却下する理由にはなりませんよ。
A :  …
B : 話を戻しますが、私の提案は採用されたんですか? それとも却下されたんですか?
A : 却下されました。いや、違う。却下しました。
B : なぜですか?
A : そうですね … あなたの提案が理解を得られなかったということでしょう。
B : あのう … それも私の立場の言い方です。
    あなたは審査した側の人ですから、その立場で発言してください。
A : では、何て言ったらいいんでしょう?
B : 「理解しなかった」と言うべきです。あるいは「理解できなかった」と言うべきです。
   「理解を得られなかった」のは私です。
    あなた方は「理解しなかった」あるいは「理解できなかった」のです。
A : いや、そういうことじゃなくてですね 。。。
B : では、却下した理由は何ですか?



 ここまでの所要時間は約 20 分。まだ本題に入っていない。
 提案者Bは、6回同じことを尋ねている。「却下した理由は何ですか?」と。
 担当者Aは、それに対してまだ回答していない。Bに難癖をつけられているとAは感じているのかもしれないが、Bはただ理由を聞いているだけなのだ。
 今日の現実のやり取りをもとに構成しました。実際にこんなやり取りをしてきたところです。下に続きます。

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