2019年4月18日木曜日

今年初めての雨、最低記録ならず?

(2019年1月31日)

 今日、東京で今年初めての雨が降った。東京全域で降ったかどうかは知らない。そこで思い出したことがある。先日、テレビの天気予報のコーナーで言っていた。

  • 今月に入ってからの東京の降水量はゼロ。このままいけば、1月の降水量は観測史上最低となる。

 さらに丁寧なことに、画面には次のような文字が書いてあった。

  • 1月の降水量ゼロは観測史上最低記録。(月末まで雨が降らない場合)

 おいおい、当たり前じゃないか。それにね、これだけだったら何も特別なこととは言えないぞ。
 「最低記録」というのは「最低記録更新」という意味だとは限らない。「最低記録タイ」でも最低記録に違いない。ということは、1月の降水量ゼロの年がこれまでに何回もあっても、上のことは言えるじゃないか。例えば、

  • 8月の降雪量はゼロ。
  • この半年間、日本列島に台風が上陸していない。

 これだって「観測史上最低記録」だ。でも、冬から春にかけて台風が上陸しないのはいたって普通のことだし、真夏に雪が降ったらそれこそニュースになるだろう。つまり、8月に雪が降らないこと、半年間一度も台風が上陸しないことは、例年のことである。それでも「観測史上最低記録」には違いない。ゼロなら確実に最低記録だ。
 だから当初のテレビ番組の言い方が「変だな?」と僕は思ったわけだが、それはそうと、1月最終日の今日雨が降ったことで「今年1月の東京の降水量はゼロ」ではなくなった。でも雨はパラパラ程度の小雨なので、せいぜい「今年1月の東京の降水量は数ミリ」程度になるだろう。それが珍しいことなのか、よくあることなのか、最低記録なのか、そうでないのかについては結局よくわからない。
 当初のテレビ報道では「このままいけば」、「月末まで雨が降らない場合」と言っているから、もちろん間違ってはいないし、「観測史上最低記録」も全くもって正しい。けれどもよくよく考えれば、当たり前のことを言っていたに過ぎないわけで、その意味では中身の無い報道だったと言えなくもない。
 そのテレビ番組では「最近雨が降っていない」こと、「乾燥してるから注意してね」などを言いたかったのだろう。それはそれで良いのだが、説得力を増すつもりで言ったのであろう「観測史上最低」という言葉は的外れだった感がある。

 最近の僕は統計ネタに敏感になっているようで、噛みついてみた。

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