2019年4月17日水曜日

慶大入試数学で「限界費用」を理解する

(慶應大学・商学部入試2017「数学」より)

 A社は工場 FA で商品 PA を製造している。商品 PA の製造費用を表す変数は、製造量 x の関数であるとする。この関数を c(x) で表す。以下の分析を容易にするため、c(x) は区間 x≧0 を定義域とする関数とし、c(0)=0とする。また、正の実数 u に対して、関数 c(x) の x=u における微分係数が定まるとし、その値を x=u における限界費用といい、m(u) で表す。さらに、a(x)=c(x)/x と定め、正の実数 u に対して、a(u) を x=u における平均費用という。ここで、
m(x)=x2-8x+17 …… ①
であることがわかったとする。

(ⅰ) 区間 x>0 において、限界費用が最小となる製造量を xm で表すと xm であり、平均費用が最小となる製造量を xa で表すと xa である。

   xa+1
(ⅱ) ∫  |m(x)-a(x)| dx= である。
   xm

(ⅲ) この問いでは、限界費用 m(x) を特定する式①は仮定しないことにする。その場合でも、ある x~>0 に対して、平均費用 a(x) が区間 0<x≦x~ において単調に減少するならば、すなわち、0<u<v≦x~ ならば a(u)>a(v) となるならば、
     x1+x2≦x~ , x1>0 , x2>0
と満たす任意の x1 , x2 に対して、
     c(x1+x2)<c(x1)+c(x2)
となることを証明せよ。

(ⅳ) B社は工場 FB で商品 PA と同等な商品 PB を製造している。商品 PB の製造費用は商品 PA の製造費用と同じであるとする。すなわち、B社における商品 PB の製造費用は、製造量 x の関数 c(x) で定まる。
 ここで、A社がB社を買収したとし、商品の製造はA社が工場 FA ですべてまとめて行うこととする。(商品が同等なので、工場 FA で製造した商品 PA をB社の顧客に提供しても何ら問題はない。また、このとき、工場 FB における製造量は 0 になる。)買収前と比較して、製造を集約することによって両社合わせた製造費用が節約される度合いを求めてみよう。
 買収時点での商品 PA と商品 PB の製造量を、それぞれ u1 と u2 (u1>0 , u2>0)とする。このとき、節約される費用は、再び、限界費用 m(x) に対して式①を仮定すると、
     u1u2(            )
となる。(もしこの値が負となる場合は、製造費用は節約ではなく追加されることになる。)



《答え》
(ⅰ) xm4 , xa6
(ⅱ) 76/9
(ⅲ) (略)
(ⅳ) 8-u1-u2

(やってみたけど、限界費用の意味がわからなくても指示通りの計算をすれば答えが出て、そのくせ計算が面倒。結局のところあまり面白くなかった)

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