アンクル・トムとアンクル・ジョーが床屋に行こうとしています。床屋にはカーとアレンとブラウンの3人の店員がいます。3人のうち腕が確かなのはカーだけなので、アンクル・トムとアンクル・ジョーはカーが店にいることを期待しています。では、ここで 【問題】です。上の文章から条件 P , Q , R を設定し、前提 (A) と (B) ならびにアンクル・ジョーの結論 (C) とアンクル・トムの結論 (D) を論理式で表し、真理表を作って、2人の導出の正誤を判断しなさい。
アンクル・ジョーが言います。「カーが外出しているなら、もしアレンもまた外出しているとすれば、ブラウンは店にいる (A)」と。アンクル・トムもそれを認めました。それを認めなければ、店に店員が誰もいなくなってしまうからです。
アンクル・ジョーが続けます。「アレンが外出しているなら、ブラウンは外出している (B)」と。 アンクル・トムはそれも認めました。アレンは体をこわしていて、一人で外出するのが難しいからです。
さて、以上のことからアンクル・ジョーは「カーは店にいる (C)」と結論づけました。アンクル・ジョーの考え方は「もしカーが外出しているなら、『アレンが外出しているなら、ブラウンは店にいる』と『アレンが外出しているなら、ブラウンは外出している』が同時に成り立たなければならないことになるが、これは矛盾である」ということです。そして背理法を使って「カーは店にいる」と主張したわけです。
アンクル・トムは反論しました。アンクル・トムは、2つの仮定を認めたとして、そこから導けることは「カーとアレンが両方いっしょに外出することはありえない (D)」ということであって、「カーが店にいる」という結論にはならないと主張しました。
さて、アンクル・トムとアンクル・ジョーの議論はどちらが正しいのでしょうか? どちらが間違っているのでしょうか?
《解答例 》
P : カーが外出している
Q : アレンが外出している
R : ブラウンが外出している とすると、
前提 (A): P ⇒ (Q ⇒ ¬R)
前提 (B): Q ⇒ R
アンクル・ジョーの結論 (C) : ¬P
アンクル・トムの結論 (D) : ¬(P∧Q) となる。
※ 文章全体をよく読めば、前提 (A) は P ⇒ (Q ⇒ ¬R) となるはずなのだが、
下線部 (A) だけからは P∧Q ⇒ ¬R と読めなくもない。
だから、それも良しとしよう。その場合も導出の正誤は上と同じになる。
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