2019年5月3日金曜日

一橋大2016(データ分析)

 2016年度大学入試は、数学のカリキュラムに「データ分析」が入ってから2回目の大学入試だった。2015年度に続いて一橋大学の入学試験でデータ分析の問題が出た。前年と同じく選択問題として出されて「ベクトル」か「データ分析」のどちらかを選ぶ形だった。



(一橋大 2016)
x は 0 以上の整数である。次の表は2つの科目 X と Y の試験を受けた5人の得点をまとめたものである。

 ①  ②  ③  ④  ⑤ 
科目 X の得点x6474
科目 Y の得点975109

(1) 2n 個の実数 a1 , a2 , ... , an , b1 , b2 , ... , bn について、
   a=1/nΣak , b=1/nΣbk とすると、
        Σ(ak-a)(bk-b)=Σakbk-nab
   が成り立つことを示せ。
  (※ Σak は「k が 1 から n まで変わるときの ak の和」を表す)

(2) 科目 X の得点と科目 Y の得点の相関係数 rXY を x で表せ。

(3) x の値を 2 増やして rXY を計算しても値は同じであった。
   このとき、rXY の値を四捨五入して小数第1位まで求めよ。



《解説・解答 》
(1) 左辺=Σ(ak-a)(bk-b)
     =Σ(akbk-a・bk-b・ak+ab)
     =Σakbk-aΣbk-bΣak+nab
     =Σakbk-nab-nab+nab
     =Σakbk-nab=右辺

(2) (1) の右辺の値を表をもとに計算すると、(9x+168)-5・(x+21)/5・8=x
   一方、(1) の左辺を n で割ったものが共分散だから、X と Y の共分散 sXY=x/5
   また、X の分散は (x2+117)/5-{(x+21)/5}2 だから、
       X の標準偏差 sX=√(4x2-42x+144)/5
     Y の分散は 16/5 だから、Y の標準偏差 sY=4/√5
   以上から、X と Y の相関係数は
     rXY= sXY/ sX・sY=√5・x/4√(4x2-42x+144)
               =√10/8・x/√(2x2-21x+72) ・・・(A)

(3) X の値を 2 増やしたとき、また一から計算しなおすと、
   X と Y の共分散は sXY=(x+2)/5
   X の標準偏差は sX=√(4x2-26x+76)/5
   Y の標準偏差は(上と同じで) sY=4/√5
   X と Y の相関係数は rXY=√10/8・(x+2)/√(2x2-13x+38) ・・・(B)
   (A)=(B) を解いて、x=6
   (A) または (B) に戻して、 rXY=√5/4≒0.559   ∴  0.6

※ (2) と (3) の計算がわずらわしい。なかなか合わなかった。。。

0 件のコメント:

コメントを投稿