2019年5月3日金曜日

グー・パーじゃんけんをゲーム理論で解く

 以前の記事「グー・パーじゃんけんで勝負する」の補足説明です。

【問】A君とB君がグー・パーだけを出してじゃんけんする。チョキは出さない。
  このとき、次のように勝ち負けが決まる。
  • 両者が同じ手ならB君の勝ち。グー・グーなら6点、パー・パーなら1点をB君が得る。
  • 両者が違う手ならA君の勝ち。このときA君は3点を得る。
さて、この勝負、A君とB君ではどちらが有利か?



◇ A君もB君もグーとパーを同じ割合で(それぞれ 1/2 の確率で)出すとするなら、A君の得点の期待値は
-6×1/4-1×1/4+3×1/2 = -1/4
となって、A君が不利で、B君が有利ということになる。

 ところが、である。A君は何もグーとパーを同じ割合で出さなきゃいけないわけではないのだから、もっと違う割合で出すことにすれば、A君の方が有利になるのである。結論を言ってしまうと、

◇ A君がグーとパーを 4:9 の割合で出せばいい。
B君がグーを出す確率を p ,パーを出す確率を 1-p として、A君の得点の期待値を計算してみると、
-6×4/13×p+3×4/13×(1-p)+3×9/13×p-1×9/13×(1-p)= (-24p+12-12p+27p-9+9p)/13 = +3/13
見ての通り、p の値に関わらず、A君の得点の期待値はプラスになる。つまり「B君がグーとパーをどのように出そうが、A君が有利になる」ということだ。

 ところで、A君がグーとパーを出すときの理想的な割合は、どうすれば見つけられるか? そのためには下表を書けば良いのである。

 
  グーパー逆比加重平均
グー-63943/13
パー3-149

 なぜこれでうまく行くのかは、別記事を当たってくれ。これ とか  あれ とか それ など。
 ゲーム理論の全体像は こちら をどうぞ。

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