風が吹く → 砂埃が舞う → 砂が目に入る → 目が不自由になる形だけ見ると、
→ 三味線弾きになる → 猫の皮が必要になる → 猫が減る → 鼠が増える
→ 桶をかじる → 桶の修理が増える → 桶屋が儲かる
命題:とそっくりです。
「A → B 、B → C 、・・・ 、J → K」が成り立つ ならば「A → K」が成り立つ
でも、実際には全然違います。前者の →(ならば)が 確率的に成り立つ のに対して、後者の → は 必ず成り立つ という意味です。
後者については別の記事で考えるとして、今日は前者について考えます。さっそく確率を計算してみましょう。
・・・ と言ってはみたものの、皆目見当がつきません。まぁいいや、ものすごぉくザックリいきます。「風が吹く」と「桶屋が儲かる」との間に 10 個の → がありますので、すべて同じ確率としちゃいましょう。
そうすると、
(1) 各 → の確率を 0.8 とすると、「風が吹いたときに桶屋が儲かる」確率は (0.8)10 ≒ 0.1となります。
(2) 〃 0.5 〃 (0.5)10 ≒ 0.001
(3) 〃 0.1 〃 (0.1)10 = 0.0000000001
(1) なら「あるかもしれない」という感じでしょうか。(でも、0.8 という数字がかなり無謀でしょう)
(2) なら「現実には起こらない」と考えてよさそうです。(0.5 でも高すぎるような気がします)
(3) なら「絶対にありえない!」と断言していいでしょう。(実際には案外これくらいなのかも)
はい、ここで今日の結論。「ならば」(→)を 10 個も並べた時点で、アウト。
現実の論が確率的に成り立つとすると、→ を並べれば並べるほど、論が成り立つ確率がみるみる下がっていく。
0.8(というかなり精度のいいもの)を3つ並べた場合で、(0.8)3 ≒ 0.5 。これがせいぜいでしょ。学術的研究なら10個でも20個でも必要なだけ並べればいいと思うが、普通は2~3個も並べればもうたくさん。それ以上並べたら、逆効果です。
ところで、確率を上げる方法があります。 どうすればいいか、わかりますか?
→ を 直列 に並べるんじゃなくて、並列 に並べればいいんです。たとえば、0.5 の確率で成り立つものを3つ並列に並べれば、論が成り立つ確率は 1-(1-0.5)3 = 0.875 。
まぁ計算上はこうなります。 ・・・ 現実の論って、こうだと思うんだよねぇ。1つの理由・根拠だけで押し切るんじゃなくて、いくつかの理由・根拠を挙げるってこと。その複数の根拠のいずれもが、「絶対に正しい」とは言えないけれども、3つあげればどれかが該当する確率はだいぶ上がる、と。
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