2019年5月4日土曜日

補助金と満足度の費用対効果

 現実社会のお金の動きを数式でモデル化して、数学の技能でシミュレーションする問題。数学の内容としては「2次関数の最大値」を求める問題だから、数学の難易度としては基本問題である。大学入試の過去問から探して、高校2年の定期試験で出題した。



(立命館大2013)
【問題】太郎は、商品Aを x dl (デシリットル)、商品Bを y dl 購入することによって、
u=xy (x≧0 , y≧0)
で表される心理的な満足度 u を得る。太郎の所持金は2400円、商品A , 商品Bの単価(1dl あたりの価格)はそれぞれ400円 , 100円である。このとき、次の問いに答えよ。

(1) 太郎が所持金2400円を全て使い切るとき、x と y について、y=−x+ という関係式が成り立ち、u が最大になるのは、x=  ハ  のときである。

(2) 太郎が商品Aを購入するとき、1dl あたり100円の補助金を受け取ることができるとする。太郎が補助金を含めた全額を全て使い切るとき、x と y について、 y=− ヒ x+ フ  という関係式が成り立つ。このとき、u が最大になるのは、x=  ヘ  のときであり、太郎が受け取る補助金の総額は、 ホ  円である。

(3) 太郎が商品Aを購入するとき補助金を受け取らないとする。(2)の場合に太郎が受け取る補助金の総額  ホ  円に等しい金額を太郎に所持金として与えて、太郎の所持金を(2400+)円に増やし使い切るとき、u が最大になるのは、x=  マ  のときである。また、このときの u の最大値は、(2)の場合の u の最大値よりも、 ミ  だけ大きい。



《解答》
(1) 400x+100y=2400 より y=− 4 x+ 24
   u=xy=−4x2+24x=−4x(x-6) より x= 3 で最大となる。
(2) (400-100)x+100y=2400 より y=− 3 x+ 24
   u=xy=−3x2+24x=−3x(x-8) より x= 4 で最大となる。
   このとき、補助金は 400 円。
   また、このときの 満足度は u=48 である。
(3) 400x+100y=2400+400 より y=−4x+28
   u=xy=−4x2+28x=−4x(x-7) より x= 3.5 で最大となる。
   このときの 満足度は u=49 で、これは(2)の場合の満足度より 1 だけ大きい。

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