2019年5月20日月曜日

部屋に鍵をかけない生活

(2016年夏)

 フィリピンに2週間の語学留学にやってきた。娘と一緒だ。
 さて、この学校のすごいところは、部屋に鍵をかけずに財布を置きっぱなしにしてもお金が無くならないところ。入校した日に職員の人が言った。「4人部屋・2人部屋でも鍵が1つしかないから、誰も鍵をかけない。でも、お金が無くなったことは、これまで一度もない」と。
 これって、本当にすごいことだと思う。確かにこの学校の出入口にはガードマンがいるが、同じ敷地に地元の子供たちが通う学校もあるし、掃除をしに部屋に入る人もいる。ここで英語を学ぶ学生たちは初顔合わせがほとんどだ。それでも、無くならないのである。
 日本でもこんな場所はそうそう無い。みんなが顔見知りの田舎ならともかく、都会ではあり得ない。学校でもホテルでも鍵をかけるか、財布を持ち歩くかするのが常識だ。
 実際に僕はここにきて一度も部屋に鍵をかけたことがないが、もちろん物が無くなったりはしない。部屋に鍵をかけない生活は楽だ。だからだろう、自宅にいるような心地良さが、この学校にはある。ここはフィリピン。

 この学校の良いところはもう一つ、先生たちが楽しそうにしているところ。休み時間にバスケットボールをやったり、ステージに上がってバンド演奏をしたり、学生と一緒にポケモンを捕まえたり。また、仕事という面もあるのだろうけれど、先生たちがいろんなアクティビティーやイベントを催してくれる。
 だから学生たちの間からも、いろんな企画が自然と持ち上がる。大学で学んでいることを発表したり、自然とダンス教室が始まったり、何かしらミーティングを開いたり。もちろんそういう場面では、英語で話すのがお約束。こうして、授業以外の時間が充実しているのである。
 学校というところは、先生が楽しむことが一番大事なんだろうな。そうであれば、生徒たちは自然と学ぶ。その事情は国を問わず、年齢を問わず、同じなんだろうな、と思う。

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