対角線 AC と BD の交点を E とする。
AC=BD のとき、△ABE≡△DCE は成り立つか?
※ 「成り立つ」と言うなら、証明してね。
「成り立たない」と言うなら、反例を挙げて。
∠ABE=∠DCE(弧ADの円周角)
∠BAE=∠CDE(弧BCの円周角)
∠AEB=∠DEC(対頂角) から 相似 △ABE∽△DCE(2角相等)はすぐ言える。
けれども、そこからが難しい。
対応する辺(AB と DC、AE と DE、BE と CE)のいずれかが1つでも等しいと言えれば 合同 △ABE≡△DCE(1辺両端角相等)とわかるのだが、さて、どうしようか。
ところで、本当に「△ABE≡△DCE」なのだろうか。反例はあるのだろうか。
何はともあれ、証明を目指してみよう。
<証明1>
AC=DB より AE=DE , BE=CE
└──→──┴─→─┘?
また ∠AEC=∠DEC(対頂角)
2辺とその間の角が等しいから △ABE≡△DCE
<証明2>
∠BAC=∠BDC より 四角形ABCDは円に内接する。
AC=DB より ∠ABC=∠DCB(等しい長さの弦に対する円周角?)
└───→───┘?
BC は共通だから 1辺両端角相等により △ABC≡△DCB
よって AB=DC 1辺両端角相等により △ABE≡△DCE
<証明3>
AC と DB の交点を F とする。 ← そもそも交わるのか?
∠FAC=∠FDB(∠BAC=∠BDC の補角)
∠ACF=∠DBF(△ABEと△DCE において他の2角が等しいから)
1辺とその両端の角が等しいから △FDB≡△FAC
よって FB=FC , FD=FA よって AB=DC
1辺とその両端の角が等しいから △ABE≡△DCE
再び相似に戻って「方べきの定理」を使ってみると、
AC=DB=1 としても一般性を失わないから
AE=a , DE=b とおいて CE=1−a , BE=1−b だから
a(1−a)=b(1−b)(方べきの定理)
⇔ a−a2=b−b2
⇔ a−b−a2+b2=0
⇔ (a−b)−(a+b)(a−b)=0
⇔ (a−b)(1−a−b)=0
⇔ a=b または a+b=1
(ⅰ)a=b のときは「△ABE≡△DCE」が成り立つ。
けれども(ⅱ)a+b=1 のとき、
CE=1−a=b , BE=1−b=a となって、
この場合は「△ABE≡△DCE」は成り立たない。
これが「反例」(右図)である。
すなわち「AC=BD のとき、△ABE≡△DCE」は成り立たない。
つまり、こういうことだ。
「円に内接し、かつ対角線の長さが等しい四角形」は「等脚台形」になる。
等脚台形を2本の対角線で切ってできる4つの三角形のうち、下左図の2つの三角形は合同である。一方、下右図の2つの三角形は相似な二等辺三角形ではあるが、合同ではない。(これが反例にあたる)
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