・・・そんなことってあるんだろうか?
2.正規社員の賃金も非正規社員の賃金も10%上がったのに、全体の平均値は10%下がった
・・・そんなことってあるんだろうか?
3.正規社員の賃金も非正規社員の賃金も月額1万円上がったのに、全体の平均値は月額1万円下がった
・・・そんなことってあるんだろうか?
4.正規社員の賃金が6万円から7万円に、非正規社員の賃金が2万円から3万円にそれぞれ上がったのに、全体の平均値は5万円から4万円に下がった
・・・そんなことってあるんだろうか?
1.2.3.4.どれでも良いので、考えてみてください。
あるんです。
ところで、なぜ似たようなものを4つも並べたのかというと、1.だけでも問いとしては成立しているんですが、具体的な数があった方が考えやすいと思ったからです。数はシミュレーションの道具です。以下では、4.で考えてみます。
A:正規社員の賃金が6万円、非正規社員の賃金が2万円で、全体の平均値は5万円
これが成り立つのは、4人中「3人が正規社員で、1人が非正規社員」の場合。
加重平均を計算すると、(6万×3+2万×1)÷4=5万円 となる。
B:正規社員の賃金が7万円、非正規社員の賃金が3万円で、全体の平均値は4万円
これが成り立つのは、4人中「1人が正規社員で、3人が非正規社員」の場合。
加重平均を計算すると、(7万×1+3万×3)÷4=4万円 となる。
つまり、正規社員の数が減り、非正規社員の数が増えれば、「正規社員の賃金も非正規社員の賃金も上がったのに、全体の平均値が下がる」ということは十分にありうる話なのです。
みなさん、騙されないようにしましょう。この話、現実のデータで示せないものかと厚生労働省や総務省統計局のサイトで探してみましたが、適当なのが見つかりませんでした。あしからず。ご存知の方がいらっしゃいましたら、お知らせください。
※ ところで、上のAからBに変わったとき、格差が広がったのか狭まったのかというと、ばらつきの度合いを標準偏差で表すなら、AとBでは標準偏差は同じなんです。だから格差が広がったわけではありません。でも、全体の平均値は下がっていますから、全体として貧しくなったことは間違いないのです。
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