2020年12月16日水曜日

電車広告にあふれる「条件付き確率」について

 採点が終わった答案と2学期の成績を持って、学校に行った。学校で期末試験の模範解答を印刷したのだが、通勤電車の中で見かけたことを文章化して、印刷用紙の隙間に貼り込んだ。
 模範解答だけ印刷してもつまらないので、こうして何かしら付け加える。毎度のことだ。以下、その文面である。



 今日16(水)は成績提出日。学校に向かう電車内の広告に次のような文面があった。

成婚率 業界 No.1

 結婚相談所の広告だ。こういうのを見ると僕はいつも思うのだ。「分母はなに?」と。
 しばらく考えて、わかった。その企業が事業展開しているエリア、得意な年齢層などに絞れば、この手のことは大抵言えてしまう。いや、極端に言えば、成功した事例が1つあれば、非常に限られた範囲で「成功率100%」が成り立つ。こうなれば、他社がどうであろうと、間違いなく「No.1」だ。「同率1位」であっても、確かに「No.1」に違いない。
 例えて言うなら、こういうことだ。試験で  が1つあれば、「その問題に限れば、自分の正答率は100%」なわけだから、確実に「学年1位」なのだよ。同率の人がたくさんいても、自分の「正答率が学年で1位!」であることは確かだ。
 というわけで、電車の中の「成婚率 業界 No.1」みたいなことは必ず言えてしまう。つまりウソではない。
 そしてこの代数のテストにおいても、全員が(ある問題について)「オレが正答率 学年1位だ!」と言える。そう言っても間違いではない。おめでとう。

※ 成婚率であれ正答率であれ それも確率には違いないし、しかも分母によって値が変わるという意味で これは確かに 条件付き確率 の話なのだ。



 中3の代数の試験だが、同じ時期に中3幾何で「条件付き確率」をやっていたので、ちょうど良いタイミングだと思って、代数の試験の模範解答を書いたプリントの余白のスペースに上の文章を貼り込んでおいた。
 実はもう一つ貼り込んだものがある。虚数 i が代数の試験範囲だったので「あい」について熱く語った。【練習問題】と称している。

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