2019年3月21日木曜日

ゲーム理論(2016年度センター試験より)

第3問  (リード文省略)
問2 下線部(a)に関連して、国際社会の平和と安全のためには国家間の協調が重要となる。国家間協調の実現について考えるために、次の表で表されるゲームを考える。このゲームでは、A国とB国の代表が、互いに相談できない状況で、「協調」か「非協調」のいずれか一方の戦略を1回のみ同時に選択する。その結果として、両国は表中に示された点数を得る。ここで両国は、自国の得る得点の最大化だけをめざすものとする。このゲームの表から読み取れる内容として最も適当なものを、下の(1)~(4)のうちから一つ選べ。

B国
協調非協調
A国協調A国に10点
B国に10点
A国に 1点
B国に15点
非協調A国に15点
B国に 1点
A国に 5点
B国に 5点

(1) A国にとって、最も高い得点を得るには、「協調」を選択する必要があるが、
  それにはB国が「非協調」を選択するという条件が必要である。
(2) A国が「協調」を選択する場合、
  B国がより高い点数を得るには「協調」を選択する必要がある。
(3) A国とB国がともに「協調」を選択すれば、両国の点数の合計は最大化されるが、
  相手の行動が読めない以上、「協調」を選択できない。
(4) A国とB国がともに「非協調」を選択すれば、両国の点数の合計は最大化されるため、
  「協調」に踏み切ることはできない。



《解説・解答》
(1) , (2) , (4)は次の点が誤り。
(1) A国にとって、最も高い得点を得るには、「協調」を選択する必要がある(←×) が、
  それにはB国が「非協調」を選択するという条件が必要である。
(2) A国が「協調」を選択する場合、B国がより高い点数を得るには
  「協調」を選択(←×)する必要がある。
  ※ 赤線部を「非協調を選択」とするなら正しい。
(4) A国とB国がともに「非協調」を選択すれば、両国の点数の合計は最大化される(←×)
  ため、「協調」に踏み切ることはできない。
  ※ 赤線部を「協調を選択すれば」とするなら正しい。

(3)には誤りはない。つまり、正しい。  というわけで、正解は (3)



 私が知る限り、センター試験にゲーム理論の問題が出されたのは、2004年 ・ 2008年 ・ 2011年 に続いて4回目。そのうち今回2016年のものを含めて3回は「囚人のジレンマ」である。第3問の問題の本文、問2の表の書いてある文を読まなくても、表と選択肢を見れば出来てしまう。ずいぶん簡単な問題だと思う。


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