2019年3月25日月曜日

人のうわさも75日

 「モデル化とシミュレーション」の授業7回目の続き。次に「うわさ話」をモデル化して、シミュレーションしてみましょう。
  <オプション課題
うわさ終息曲線(うわさが広がりやがて終息する様子)を描いてみよう。
図解モデルを考えてみましょう。まず、ストックとして「うわさする人」を立てました。うわさ話が広がることが、フローの「増加数」になります。
 さて、<図1>のモデルで伝達率を一定とすると、「うわさする人」は指数関数的に増え続けます。けれども、これでは人口を上回ってうわさ話が広まることになりますから、不適切です。
そこで「人口」というパラメータを立てて、頭打ち条件を加えた形が<図2>です。このグラフはS字カーブを描きます。けれども、これもやっぱり不適切です。この場合は、やがてうわさ話が全人口に広がって、全員が永遠にうわさ話をし続けることになりますから。
 <図3>では、人がそのうちうわさ話をしなくなると想定して、「うわさする人」の「減少数」というフローを立てました。ところが、これだけを付け加えてシミュレーションしても、うまくいきません。このままでは、うわさ話をしなくなった人たちが再び同じうわさを聞いて、うわさ話を始めるからです。同じ人がうわさ話を「始める→やめる→始める→やめる→・・・」が延々と続いて、やっぱり終息しません。でも、これも変ですね。うわさ話に飽きた人たちは、同じうわさ話に花を咲かせることはないでしょうから。
 それを解決するために、<図4>では「人口」を変更して「うわさを知らない人」にしました。そうすると、「うわさを知らない人」の数は変動(減少)しますから、これはストックになります。

・・・ここから先はみなさんにお任せしましょう。ちなみに、<図4>はまだ未完成です。完成させるためには、どのストックにも最低1つのフローを立て、どのフローにも最低1本のファンクション(矢印)を引く必要があります。また、必要に応じてパラメータを立てなければなりません。矢印をどのように引くかで、モデルが変わってきます。上の文章にとらわれる必要はありません。しかるべきストーリーに基づいてモデル化し、右下のような「いったん増えて、やがて減る」グラフが出来れば何でもOKです。
マスコミ報道をシミュレーションするなら、伝達率をずっと大きくすればいいんでしょう。その場合は、話がすぐに広がって、すぐに静まることになりそうです。
 このシミュレーション、「インフルエンザの流行」のモデルにもなりえます。「うわさ話が伝わる」ことと「ウィルスに感染する」ことは同じですし、「うわさに飽きて、うわさしなくなる」ことと「インフルエンザに罹って、免疫ができる」ことは同じですから。
 そう、これは情報伝達のモデルでありシミュレーションであるのです。


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