2019年3月24日日曜日

数式モデルの書き方

 「モデル化とシミュレーション」の授業3回目の続きです。「図解モデル」が出来たら、次に「数式モデル」を作ります。これは、図解モデルとエクセル関数式の橋渡し的なものになります。
 この段階でやるべきことは、もっぱらフローを式で表すことです。ストックとフローの関係式は自明(足し算と引き算のみ)ですから、書かなくても大丈夫です。
 また、この段階では定数の値にこだわる必要はありません。「定数」、「比例」などと表記すれば十分です。数式と数値は、シミュレーションの段階で試行錯誤しながら決めればいいのですから。ただ、使う関数(「条件分岐」「乱数」など)を明記しましょう。
つまり、少しずつ具体化するわけです。図解モデルでフローを決める要因を書き出して、数式モデルで計算式を書き出して、エクセルでシミュレーションするときに数値を決めながら関数式を確定していくわけです。
 他に注意点を2つばかり挙げておきましょう。1つは、手計算は要らないということ。式だけ与えてやれば、エクセルが計算してくれますから。もう1つは、時間のパラメータも要らないこと。エクセルで下方向にコピーすることで、時間の変化を表しますから。この2つは、数学や理科で時間のパラメータをtとして手計算する習慣が身に付いていると、逆にやりにくいかもしれません。

一例として、前の時間にやった「埃が風に舞う」様子を図解モデルと数式モデルで表してみましょう。
 図解モデルは右図のようになります。また、数式モデルは、
◇ 移動距離 = 乱数 × 壁からの距離
となります。ここまでくれば、エクセルの関数式もすぐそこですね。
 ところで、このモデル化の部分が生徒にとって新しい経験であり、不慣れなところでしょう。そして、そこがこのカリキュラムの最も重要なところであり、最も面白いところです。次の時間から生徒たちに実際に図解モデルを描いてもらいます。


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