このカリキュラムで扱おうとしているのは後者です。雑然と見える自然現象や社会現象から特定の要因を抜き出してモデル化して、自然現象や社会現象をシミュレーションしてみようということです。
作業は「条件設定→図解モデル→数式モデル→シミュレーション→グラフ化」の順に進みます。このうち「条件設定→図解モデル→数式モデル」がモデル化にあたり、この段階は紙と鉛筆を使って行います。それに続く「シミュレーション→グラフ化」がシミュレーションにあたり、コンピュータの表計算ソフト(エクセル)を使います。とはいえ、作業が一直線にスムーズに進むとは限りません。実際の作業は行きつ戻りつすることになるでしょう。
作業の最初のステップは「条件設定」です。この部分が生徒たちにとっては不慣れで、最も難しい部分かもしれません。何をやったらいいのか、まるで手がつかない人もいるでしょう。コツは、
◇ 必須の条件をガッチリ抜き出す条件を設定した後、図解モデルを描いて、続いて数式モデルに直して、さらにエクセルの関数式へと少しずつ具体化していきます。初期値など定数を決め、期待どおりの結果が得られたら、それをグラフに表します。この段階がシミュレーションですが、モデル化に比べればシミュレーションの方が簡単といえるかもしれません。モデルに従って、機械的に処理すればよいのですから。
・それがなかったら、○○のシミュレーションにならない
◇ 他の条件は、なるべくシンプルに
・シミュレーションがうまくいってから、より精巧なものを
◇ 現実を忠実に再現するのがいいとは限らない
・特定の要因を取り出して、その働きを調べることも重要
◇ モデルが異なれば、シミュレーション結果も異なる
・目的に応じて、切るべきものはバッサリ切る
なお、エクセルを使うにあたって関数式は使いますが、マクロは使いません。このカリキュラムの中で使う関数は、
◇ 四則計算(+,-,*,/)です。以上のものをやり繰りして、いろんな現象をシミュレーションします。また、グラフ機能も使います。グラフの見栄えにこだわるとキリがないのですが、変化の様子が見えればOKです。実際には期待どおりのグラフが得られずに、前のステップに戻って考え直すこともしばしばあるでしょう。また、うまくシミュレーション出来たら、他の要因を取り込んでより複雑なモデルにチャレンジすることもあるでしょう。
◇ = SUM(セル範囲)(AVERAGE,COUNT,MAX,MIN)
◇ = IF(条件式,真の場合,偽の場合)
◇ = RAND( )
◇ = ROUND(数値,桁数)(ROUNDUP,ROUNDDOWN)
◇ = ABS(数値)
◇ = COUNTIF(セル範囲,検索条件)
◇ $マーク(相対参照,絶対参照)
では、これからいろんな自然現象・社会現象を扱っていきます。
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