2019年3月25日月曜日

温度変化にはわけがある

 「モデル化とシミュレーション」の授業5回目の続き。まず前問の解説です。
     <トライアル4
「やかんのお湯が冷める」様子をシミュレーションしてみよう。
忘れてならないパラメータは「室温」です。お湯は徐々に冷めて、やがて室温と同じ温度になります。
 図解モデルは右のようなものでよいでしょう。数式モデルは、
放熱 = 温度差×定数
   =(湯温-室温)×定数
となります。シミュレーションの例は次のようになります。
 セル C2,C3,C4 には定数を入れます。F列とG列には関数式を入れます。
◇ セルF4の式は = (G4-C$3)*C$4
◇ セルG4の式は = G3+F4
です。F列をグラフ化したものが右のグラフです。セルC2,C3,C4の値を変えると、
グラフが変化するようにしてみました。


 では、もう1問。
     <オプション課題
「エアコンのサーモスタット機能(自動でオン/オフする機能)」をモデル化し、それが働いているときの室温の変化をシミュレーションしてみよう。
エアコンで暖房するのか冷房するのかはどちらでもかまいません。それはみなさんにお任せします。また、実際のエアコンには温度以外に風力や時間も設定できますし、人の出入りもあるでしょうが、最初はそれらを外して考えた方がいいでしょう。シンプルなモデルでうまくいってから、より複雑なモデルを考えればよいのです。
 さて、この場合は「室温」がストックになります。さらに「オフになる設定温度」をパラメータとして立てます。オン・オフの切り替えはIF関数を使うのがよさそうです。でも、パラメータがもう1つ必要です。そのパラメータがないと、サーモスタット機能が働きません。
 この場合忘れそうな条件は、自然に放熱することです。完全に断熱状態ならば、サーモスタット機能は働きませんね。そして「自然放熱」を組み込むということは、前問「やかんのお湯が冷める」で作ったモデルを組み込むということです。
 あるいは、こう言ってもいいでしょう。前問では「温度低下要因」だけを考えましたが、この問題では「温度上昇要因」と「温度低下要因」の両方を考えなければいけないということです。「温度低下要因」は前問と同じようなモデルを考えればよいので、前問に「温度上昇要因」を付け足せばよさそうです。
以上のことを盛り込むとグラフは右のようになるでしょうから、そんなグラフが描けるまでやってみてください。もちろん、他の要因を組み込んでもっと複雑なモデルを考えると、違うグラフが描けます。
上の考え方をしたときの数式モデルだけ書いてみます。
◇ 室温上昇 = IF (室温<設定温度 , オン , オフ)
◇ 室温低下 = (室温-外気温)×定数
こんなところでどうでしょう。


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