2019年3月14日木曜日

皆既日食を体感する

 2009年7月22日に日本の南西諸島で皆既日食があった。あいにくの雨であまりきれいには見えなかったようだが。2012年5月21日には九州から関東にかけて太平洋側で金環日食が見えた。ウチの学校でも観測できた。
 さて、今日は皆既日食を体感してみようと思う。まずは基本データから。

 大きさ・距離比率モデル
地球の直径12,756km4直径4cmのピンポン玉
月の直径3,474km1直径1cmのビー玉
太陽の直径1,392,000km400直径4mのアドバルーン
地球から月までの距離384,400km1001m先
地球から太陽までの距離149,597,870km40,000400mかなた

 地球から見て、月と太陽がぴったり重なって見える理由は、
○ 月の直径:太陽の直径 ≒ 地球から月までの距離:地球から太陽までの距離
だからである。
図で表すと、(図1)のようになる。理科の授業で、あるいはテレビでこういう図を見かけたことがあるだろう。
 けれども、この図は比率が全然デタラメである。 実際の比率は(図2)のようでなければいけないのだが、こんな三角形をその通りの比率で描いたらとても三角形には見えない。
 月を直径1 cmのビー玉とすると、太陽の直径は4 m 、2階建ての家と同じくらいの大きさになる。その縮尺でいうと、地球から月までの距離は1 m 、地球から太陽までの距離は400 mとなる。
 皆既日食を体感するには、こんなことをやってみるといい。
 直径1 cmのビー玉から1 m離れたところに立って、400 m先にある直径 4 m のアドバルーンを見る。目の位置を微妙に調整すると、ある瞬間にアドバルーンがビー玉の陰に隠れて見えなくなる。「おぉっ、これが皆既日食だぁ!」 と、そういうことだ。
この実験をやってみてもう1つ体感できることがある。それは「太陽系はスカスカだ」ということ。ビー玉とアドバルーンの間には他にピンポン玉くらいの大きさのものが2つ(水星と金星)あるだけで、他には何も無いのである。おヒマな人は同じ縮尺で、たとえば土星の大きさや地球からの距離を計算してみてほしい。もっとおヒマな人は、銀河系の中心までの距離や隣の銀河までの距離を計算してみてほしい。「宇宙の壮大なスカスカ感、天文学的な何も無さ」を実感できることだろう。


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