2019年3月29日金曜日

真理表の限界

【問】条件式が2つ(P, Qとする)あるとき、その真偽の組み合わせは全部で4通りあります。だから、ある論理式の真偽を判定するための表を作ると(タイトル行を除いて)4行必要です。また、その2つの原子式から作られる論理式の真偽の組み合わせは、次表のように全部で16通りあります。

  P Q | ア イ   P ウ Q   エ         オ     カ
  ー ー ┼ ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
  1 1 | 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0
  1 0 | 1 1 1 1 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 0 0
  0 1 | 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0
  0 0 | 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0

(1) 表中の ア , カ にあたる論理式を何というか。その名称を答えなさい。

(2) イ , ウ , エ , オ にあたる論理式を1つずつ、P , Q の両方または片方を用いて書きなさい。

(3) 授業で扱った真偽判定法は、頭からっぽで 0 と 1 を書き込むだけでいいので簡単で便利だが、弱点もある。それは原子式が多くなると、表がとても大きくなることだ。
 たとえば原子式が P , Q , R の3つある場合は行の数は(タイトル行を除いて)全部で( ① )行必要になり、3つの原子式から作られる論理式の真偽の組み合わせは全部で( ② )通りになる。
 また、原子式が P , Q , R , S , T の5つある場合は行の数は(タイトル行を除いて)全部で( ③ )行必要になり、5つの原子式から作られる論理式の真偽の組み合わせは全部で約( ④ )億通りになる。
 こうなると、とても書ききれない。ましてや「すべての x において」のようなものを扱うことはまったく不可能だ。
 ではそれらを扱うにはどうすればいいかというと、やり方をまるで変えなければならなくなる。続きは大学で、もしくは自学自習でやってください。


《正解例》は、次の通りです。

(1) ア:トートロジー(恒真式)  カ:矛盾式(恒偽式)
    ※ トートロジーの否定は矛盾式に、矛盾式の否定はトートロジーになる。
(2) イ:P∨Q  ウ:P⇒Q  エ:P∧Q  オ:(Pでない、Pの上にバーをつけて表す)
    ※ 複雑なものを作ろうとすれば他にも答えは無限にあるが、重要かつ頻出かつシンプルなものは上の通り。
      表中 イ , ウ , エ , オ の値(1か0か)が「∧ , ∨ , ⇒ , バー」の定義にあたります。

(3) ① 23 8    ② 28 256    ③ 25 32    ④ 232 40 億 
   ※ 2のn乗の簡易計算法は こちら をどうぞ。

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