さて、3人で相乗りした場合、3人はそれぞれいくらずつ払えばよいだろうか?
ところで、3人で同額ずつ支払うという案はうまくいかない。4500÷3=1500円を支払うなら、Aさんにとっては1人でタクシーに乗った方が安上がりだからである。
ここで、3人が相乗りをするための条件を式に表してみよう。相乗りをしたときにA,B,Cが支払う金額をそれぞれ a,b,c とすると、条件は次のようにかける。
a+b+c= アところで、以上4つの条件を満たす解 (a,b,c) は1つに決まらない。では、1つに決まり、かつ3人が納得するような解はあるのだろうか。
0≦a≦1000
500≦b≦2000
イ ≦ c ≦ ウ
そのような方法はいくつか考えられる。1つの方法は「1人ずつ別々に乗った場合の支払額の比と同じ比で支払う」方法である。この場合は (a,b,c)=( エ , オ , カ ) となるが、これは先の条件をすべて満たす。① 他にも、1つに決まり、かつ3人が納得するような解 はあるだろう。
ところで、相乗りすることで浮いたお金を利益と見なせば、この問題は利益分配の問題と見なすことができる。企業が業務提携して得られた利益を分配する場合や、プロ・スポーツ選手の年棒を決める場合にも発展できる考え方であって、これもゲーム理論のテーマの1つと言ってよいだろう。
(1) 空欄 ア ~ カ にあてはまる数を答えよ。
(2) 下線部 ① について、文中に書かれている以外の方法で、解が (a,b,c)=( エ , オ , カ ) とは異なる値になるような方法を提案し、その提案に従う場合の解を求めなさい。ただし、誰か1人を特別扱いするような方法は認めない。また、3人は自分が支払う金額だけを気にして、回る順番やかかる時間などは気にしないものとする。
《解答例》
(1) ア 4500 イ 1500 ウ 3000
エ 750 オ 1500 カ 2250
(2) <方法の説明>
3人がバラバラに乗ったときの金額の合計と相乗りしたときの料金との差額1500円を3人で均等に分ける。<そのときの解> (a,b,c)=(500 , 1500 , 2500)
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